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一頻り
「一頻り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一頻りの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
調子を合わせ、また心を吸取られていると、意外に近いところでさっきの口笛が起った。
一頻り吹いて静かになった。間を置き、今度は、二声ずつに区切って鋭くヒューヒューと....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
も。――中で散々暴れて来ましたから」 熱いものを飲まなければいけないとか何とか
一頻りごたごたして、彼等が×町を出たのは、もうかれこれ十二時過ていた。電車も止っ....
「斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
えもう青でした――でも、おそいのはいくらでも馴れてるから……」 手芸の話などが
一頻り弾んだ。ところへ禎一が帰って来た。 「やあ――どうです?」 照子は一寸愛....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
も、今見た墓の恐ろしさだけが眼に焼き付いて、何としても離れないのです。 昨夜は
一頻り雨が降っていましたが、この辺にも烈しい夕立ちがあったのでしょうか? 空が曇....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いている石切職人たちが、毎日の例によって八刻というと、ここへ甘い物をたべに来て、
一頻り番茶を飲みながら饒舌を娯しむ。
「なにしろ、だらしがねえや」
「吉岡方か」....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。 「武蔵どのには、ちと面映ゆかろうが」 と、沢庵が、かろく戯れながら断って、
一頻り今、話の種にしていたのは、お通のことで、彼女の生い立ちやら、武蔵との間がら....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
子達の部屋よりもう一棟奥の、居間に坐る。 「寒い……。風邪気味かな」 呟いて、
一頻り咳込む。 その前に、一碗の柚湯をすすめて、若い小間使が、彼の背へ廻った。....
「牡蠣船」より 著者:田中貢太郎
は淋しそうに歩きだして新京橋を上へと渡った。 その翌日は夕方から暴風雨になって
一頻り荒れたが十時過ぎになってぱったり止んだ。秀夫は寝床の中へ入っていたが、天気....