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一骨
「一骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
御者も骨を折りましたんですから、お互い様にいくらか酒手を奮《はず》みまして、もう
一骨折ってもらおうじゃございませんか。なにとぞ御賛成を願います」 渠は直ちに帯....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
上急に人数《にんず》が増えたので、床の位置やら部屋割をきめるだけが叔母に取っての
一骨折《ひとほねおり》であった。男三人はいっしょに固められて、同じ蚊帳《かや》に....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
けません、何うぞ私が先祖への孝行にもなる事でございますから、この絵図面を斟酌して
一骨折ってはくださるまいか」 と仏壇の絵図面を見せますと、長二は寸法などを見較....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
気の毒なこっちゃ、勧賞はどうでもいいが、市場連を助けてやりてえもんじゃのう」 「
一骨折っちゃ、どうでごんす」 「さあ、当番でなけりゃ、何とか一肌ぬいでみようがな....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
三疋もらった。二三日すると一疋はポックリ死んでしまった。さてこれを育て上げるのが
一骨《ひとほね》だ。塾生の青年共にまかせて置いた日には前例がある。幸、今度は塾主....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ため炭坑に入り、そこのひどい生活におどろいて良心を目ざまされ、不幸な人々のために
一骨折るところですが、最後は妙なハッピエンドです。丁度水戸黄門道中記みたいに、ど....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
だって、今更、取り消すわけにもまいりませんでしょう。」 「だからさ、わたしがまた
一骨折りしなければならないかと思って……。」 美枝子は眼を足先に落した。 「ほ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
の帆桁である。これはいいものが流れついたと、一同はよろこんだ。これと、三角|筏の
一骨にした円材と、三本の長い円材を、すぐ砂山に運んで、砂山のうえに、見はりやぐら....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
が付いた。まだ一人ある』 『ジルベールか?』 『貴様に頼むが、ジルベールの救助に
一骨折ってくれ』 『馬鹿。ヘン御断りよ』と云った代議士の相貌にはみるみる野獣の本....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
十徳の胸へ、雲水の掛けているような頭陀袋をさげ、草履まで穿きかえると、 「アア、
一骨だった」 呟いて、丘の彼方へ、さっさと降りて行ってしまった。 その後で、....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
晶というものは稀であって、色々の形の汚い結晶が混っているのでそれを取り除けるのが
一骨であった。結局マッチの軸の頭を折って、そのささくれた繊維の端で欲しい雪の結晶....
「雪雑記」より 著者:中谷宇吉郎
《まれ》であって、色々の形の汚い結晶が混っているので、それを取り除《の》けるのが
一骨《ひとほね》であった。結局マッチの軸の頭を折って、そのささくれた繊維の端で欲....