一髪[語句情報] »
一髪
「一髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ん》はこの男と腹を合わせて、兄のみならず、自分をも殺そうとするのではあるまいか。
一髪の間《かん》にこういう疑いをいだいた次郎は、目の前が暗くなるような怒りを感じ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
深い闇《やみ》の中へまっさかさまに転げ落ちました。が、我々人間の心はこういう危機
一髪の際にも途方《とほう》もないことを考えるものです。僕は「あっ」と思う拍子にあ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
渠を支配しうべしと思いしなり。されども今この検事代理なる村越欣弥に対しては、その
一髪をだに動かすべき力のわれにあらざるを覚えき。ああ、濶達《かったつ》豪放なる滝....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ことがあった。彼は、誰にも話の出来ない或る重大任務を、遂行して、国家の危機を、間
一髪に、救ったのだった。その内容については、司令官と中佐と、外に数名の当事者以外....
「恐竜島」より 著者:海野十三
、そうもうろくしてもらってはこまるぜ。問題は、われわれの生命にかかっている。危機
一髪《ききいっぱつ》というところで、子供がわあッと泣いたため、恐竜がわれわれのい....
「火星探険」より 著者:海野十三
と共に異境の海に全員溺死してしまったであろう。博士の沈着にして果断な処置が、危機
一髪のところで全員を救ったのだ。 「沙漠! 沙漠!」 右側の噴流器から、その全....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
事件の特報…… “ワシントン、一夜のうちに崩壊す――白堊館最初に犠牲となる。危機
一髪、ル大統領、身を以て遁れる。崩壊事件の真相全く不明” “ワシントン崩壊事件の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ガス弾をたたきおとす。そのもうもうたる煙の中に、両艇はついに衝突かと思ったが、間
一髪のところで、丸木艇は、舳をぐっと上に向けて、ひらりとかわした。すぐその下を、....
「怪塔王」より 著者:海野十三
の間にやら檻の下からぬけて一彦の体をかかえているではありませんか。おじさんは危機
一髪、檻が落ちる前にひらりととびでたのです。 「ああ、おじさん助ったんだね。ああ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
れると、大月大佐の身体は船体もろともに、氷の下にひきずりこまれたであろう。全く間
一髪という危いところで大佐の生命は救われた。隊員おもいの大佐に、神様が救いの手を....
「取舵」より 著者:泉鏡花
状の天色はますます不穏の徴を表せり。 一時魔鳥の翼と翔りし黒雲は全く凝結して、
一髪を動かすべき風だにあらず、気圧は低落して、呼吸の自由を礙げ、あわれ肩をも抑う....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
てこれに抗し互に掎角の勢をなせり。而して露国またその虚に乗ぜんとす。その危機実に
一髪と謂わざるべからず。若し幕府にして戦端を開かば、その底止するところ何の辺に在....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
掠めた蔭に、古布子で平胡坐、継はぎの膝かけを深うして、あわれ泰山崩るるといえども
一髪動かざるべき身の構え。砥石を前に控えたは可いが、怠惰が通りものの、真鍮の煙管....
「西航日録」より 著者:井上円了
てスコットランドと相対す。 北游一夕泊津頭、愛海風光慰客愁、雲水渺茫望窮処、青山
一髪是蘇州。 (北のかたに遊び、その夜は港に宿泊した。愛の海の風景は旅人の思いを....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
った。) 愛蘭客楼望蘇山(愛蘭の客楼より蘇の山を望む) 街路繞、海天望窮処、
一髪是蘇州。 (街路は湾の曲がれるにしたがってめぐるように走り、波のきらめく光が....