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丁
「丁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ある日散歩のついでにふと柳島《やなぎしま》の萩寺《はぎでら》へ寄った所が、そこへ
丁度彼の屋敷へ出入りする骨董屋《こっとうや》が藤井の父子《おやこ》と一しょに詣《....
「河童」より 著者:芥川竜之介
れば、東京市外××村のS精神病院を尋ねてみるがよい。年よりも若い第二十三号はまず
丁寧《ていねい》に頭を下げ、蒲団《ふとん》のない椅子《いす》を指さすであろう。そ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
あなせん》を燻《くん》じた後《のち》、今度は床《とこ》に懸けた軸《じく》の前へ、
丁寧に円い頭を下げた。軸は狩野派《かのうは》が描《か》いたらしい、伏羲文王周公孔....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
、仕方がない。そこで、また、例の如く、命が住吉屋七兵衛へ下《くだ》ろうとした――
丁度、その時である。一人の近習《きんじゅ》が斉広の旨を伝えに、彼等の所へやって来....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
》を見上げた覚えがある。その空は、彼が今まで見たどの空よりも、奥深く蒼く見えた。
丁度大きな藍《あい》の瓶《かめ》をさかさまにして、それを下から覗いたような心もち....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
《よ》い匂《におい》が、絶間《たえま》なくあたりへ溢《あふ》れて居ります。極楽は
丁度朝なのでございましょう。
やがて御釈迦様はその池のふちに御佇《おたたず》み....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
の火気を感じると、内蔵助の心には、安らかな満足の情が、今更のようにあふれて来た。
丁度、去年の極月《ごくげつ》十五日に、亡君の讐《あだ》を復して、泉岳寺《せんがく....
「運」より 著者:芥川竜之介
へくだろうとしますと、案の定《じょう》後《うしろ》から、男が一人抱きつきました。
丁度、春さきの暖い晩でございましたが、生憎《あいにく》の暗で、相手の男の顔も見え....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
は、急に顔をしかめました。ふと相手に気がついて見ると、恵蓮はいつか窓際に行って、
丁度明いていた硝子窓から、寂しい往来を眺めているのです。 「何を見ているんだえ?....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
た。すると何ごとにもムキになる赤木は「君には俳句はわからん」と忽ち僕を撲滅した。
丁度やはりその前後にちょっと「ホトトギス」を覗いて見たら、虚子先生も滔滔と蛇笏に....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
大体として人間的興味を中心とした、心理よりも寧ろ事件を描く傾向があるようだ。「馬
丁」や「赤い矢帆」には、この傾向が最も著しく現れていると思う。が、江口の人間的興....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
人語を明らめがたし。我自ら我身を顧りみれば孑然として小虫の如く、車夫に罵しられ馬
丁に叱られ右に避け左にかがまりて、ようやくに志す浅草三間町へたどり着きたり。 ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
聴講料を出す。かなり高い。二回で半ギニー(十円五十銭)位であったと思う。一回分が
丁度芝居の土間位の金高である。 ファラデーが助手となって、六個月ばかり経つと、....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
まして、川端を歩いていると、釣師が一人柳の木の下に眠っていた。正午だった。鋤が一
丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まるで故意に置いてあるような按配に突立っていた。 私は....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
代官様と家来たちはちゃんと室の外までお出迎えして、朝太郎を床の間の前に坐らせて、
丁寧にお辞儀をしました。太郎右衛門は、庄屋から大体の話はきいて来たようなもののこ....