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丁半
「丁半〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丁半の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
みつこうみつ打ち調べているとき、ころり、と叺《かます》の中から下におちたものは、
丁半バクチに用いる象牙細工の小さな賽《さい》ころです。 「ほほう、そろそろ筋書通....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。 遠いだろうとつけていったところが、目と鼻の本願寺裏でした。しかも、ひと目に
丁半師のうちと思われる一軒へ消えていくと、ふたりの注進によって、ほどたたぬまに荷....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は少し説明をして置かなければならない。と云うのは、社の入口から随身門までおよそ一
丁半、路の左右は松と杉の森で、四抱えも五抱えもあるような大木が天を凌いで生い茂っ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
を雇って後へ帰っても、十四五丁|入らねえばなんねえが、最う少し往けば鴻の巣だ、五
丁半べえの処だアから、同伴でも殖えて、まアね少しは紛れるだ、私も怖ねえと思って、....
「斜陽」より 著者:太宰治
「阿佐ヶ谷ですよ、きっと。阿佐ヶ谷駅の北口をまっすぐにいらして、そうですね、一
丁半かな? 金物屋さんがありますからね、そこから右へはいって、半丁かな? 柳やと....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
して、脱け参りから江戸へ流れ、悪いという悪い事は二三の水出し、遣らずの最中、野天
丁半の鼻ッ張り、ヤアの賭場まで逐って来たのだ、今は胼皹を白足袋で隠し、なまぞらを....
「日月様」より 著者:坂口安吾
のは、戦争中の碁会所であった。当時の彼はセンバン工であり、同時にあとで分ったが、
丁半の賭場へ通っていた。然し本職のバクチ打ちではない。お金の必要があって、時々で....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
下でゴトリと音がするたび、腰をうかして顔色を変える。 私はこの連中から、花札や
丁半のインチキについて、実地に諸般のテクニックを演じて見せてもらった。こればかり....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
きますが、御承知の通りこの辺一帯の海岸は高い崖になっておりまして、此処から凡そ一
丁半程の西に、一段高く海に向って突出した普通に梟山と呼ぶ丘が御座居ます。恰度妾が....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、 「いいから、窓でも締めねえってことさ。こうして、車座になっていると、うっかり
丁半とでも間違われるわな。おう、だいぶ風が出たのう。だが、吹いてるからいいような....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
てあったが、そのずっと奥の方に、裸体蝋燭が燃えており、それを囲繞んで、六人の男が
丁半を争っていた。五郎蔵の乾児どもであった。その横に立って、腕組みをし、勝負を見....
「おせん」より 著者:邦枝完二
、奴のいかさまに引ッかかるたァおかしいじゃねえか」 「いかさまッたって、おめえ、
丁半じゃねえぜ」 「ほう、さいころじゃねえのかい」 「女が餌だ」 「女。――」 ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
が竹町と七軒町の界でこの堀が下谷と浅草の界だと思います。七軒町の取っ附きまでが一
丁半位、南北は二丁以上、随分佐竹屋敷は広かったものです。それが取り払われて原とな....
「春」より 著者:岡本かの子
子の歩行を熱心に見て居る。と京子はぴたりと停ち止まった。お民が隠れて居る所から一
丁半も向うの此の屋敷町が直角に曲る所に、赤塗りポストの円筒が、閑静な四辺に置き忘....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
二人居りますから、その兵隊に書面を示すと早速判を捺して通行を許された。それから一
丁半ばかりあるニャートン駅に行くのですが、このニャートン駅は私にとっては非常に危....