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「丁場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丁場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
胸をなで下《おろ》して人心の付いた気がいたしました。新橋から品川と申せばホンの一丁場煙草一服の処で、巻莨《まきたばこ》めしあがって在《いら》っしゃるお方は一本を....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
飯を喰おう」 △「もう一本やろう」 ×「余《あんま》り遅《おそく》なるから、丁場《ちょうば》の仕事がよ」 △「丁場へは兼《かね》が先に行ってるからもう一本....
出世」より 著者:菊池寛
で、やっと安心して、すぐ引っ返して春日町へ行った。三田から春日町までの、あの長い丁場を、彼はどんなにいらいらした心持で乗ったことだろう。が、春日町へ着いてみると....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
り候。 ――往還御役の儀、役人どもはじめ、御伝馬役、歩行役、七里役相勤め、嶮岨の丁場日々折り返し艱難辛勤仕り、冬春の雪道、凍り道等の節は、荷物|仕分に候わでは持....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
男から何か話させようとでも言うのか。」 庸三はそうも思ったが、やがて葉子は車の丁場で、園田のところへ使いを頼むつもりで、出て行ったあとで、庸三はあらゆる理由を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
叺《かます》を横にしてはたいてみる。 「いくらになる」 「へえ、亀山から一里半の丁場《ちょうば》でござい」 「よろしい」 竜之助は財布《さいふ》を取り出して、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
い頃であるから、五時そこそこというのにもうとっぷりと日が暮れて、間は稲荷山ただ一丁場だけれども、線路が上りで、進行が緩い処へ、乗客が急に少く、二人三人と数えるば....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
山道三里半、車夫などにお尋ねになりますれば、五里半、六里などと申しますが、それは丁場の代価で、本当に訳はないのでござりまする。」 「ふむ、三里半だな可し。そして....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
けて、米沢海道を自動車で来ても、又道に沿うて居る奥羽本線の汽車からでも、ほんの一丁場と言ったところに、赤湯の湯場がある。青田の中で、ちょっとした岩山の裾によった....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
少しく勝手違いの感があるべきであるが、自然に聴衆を惹き付けて、常に一時間内外の長丁場をツナギ続けたのは、確かにその話術の妙に因るのであった。 私は円朝の若い時....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
た人間はたぶん一人もなかったはずだ。多賀へ行くには電車があるもの。電車はたった一丁場だが、これを歩けば錦ヵ浦から岬をグルグル大廻り、二里もあるのだ。土地不案内な....
くまと車掌」より 著者:木内高音
をなめなめ、日記をつけた。つぎの停車駅までは、約一時間もかかる。全線で一ばん長い丁場だった。日記をつけてしまうと、することもなくなったので、まどから暗い外をすか....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
そろそろ夜の白みだす頃に、こっそり帰ってきたのである。 それはカザンまであと二丁場という晩の出来事だった。 ※ 寒々と暗雲の垂れこめた日が、時お....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
「おまえくらい怠ける髪結はないって、大旦那が大層腹ア立っているぜ、嘘ばかり吐いて丁場を明けたり、若旦那を遊びに誘い出したりして悪い髪結だって」 長「嘘を吐いて明....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いました。この生き死にする人間の精神肉体が、そのまま永遠不滅の生命を運んで行く一丁場である。こういう覚りに釈尊は立っておられました。こうなって見ると、宇宙の生命....