丁年[語句情報] »
丁年
「丁年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丁年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
朝日新聞に児玉音松《こだまおとまつ》とかいう人の冒険談が連載された時、彼はまるで
丁年《ていねん》未満の中学生のような熱心をもって毎日それを迎え読んでいた。その中....
「行人」より 著者:夏目漱石
はただ引っ張って行く役なんだから」
父はずんずん歩いた。自分は腹の中であたかも
丁年《ていねん》未満の若者のような自分の態度を苦笑しながら、黙って父と歩調を共に....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
じ者で有った上幾多の似寄った証拠が有った為言い開きは立たず、死刑とは極ったが唯|
丁年《ていねん》未満で有った為一等を減じて終身の禁錮《きんこ》になり、四年ほど牢....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
解いた者は従前に引き戻す事、全国の士族を配してことごとく六管鎮台の直轄とする事、
丁年以上四十五歳までの男子は残らず常備予備の両軍に編成する事、平民たりとも武事を....
「火のついた踵」より 著者:宮本百合子
―ね、そうお思いにならなくって? 英一 さあ―― 谷 そこまで行くと、我々は未
丁年ですね。 みさ子 (考えつつ)結婚生活では、普通、正しい人間とか、善い人とか....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
「出浴」の号令のかかる間近でもあったのだ。 脱衣場では、同志の村木というまだ未
丁年の男が一人、蒼い顔をして着物を着かけていた。 「どうした?」 僕はまた例の....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
る分は、みな巣鴨に送られるのである。ついでに書いておくが女囚は八王子におかれ、未
丁年囚は川越におかれる。 巣鴨監獄に着いて、サアいよいよ奈落の底に落ちて来たの....
「男女交際より家庭生活へ」より 著者:宮本百合子
てやる。学校は、広い常識と箇々の性格による専門的傾向を暗示する。そして、或る者は
丁年になった時を、或る者は専門教育を終了した時を、新たな独立的生活の第一期と定め....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
は啓蒙に就いて定義を下してまず云っている。「啓蒙とは理性が自業自得で陥っている未
丁年状態から解放されることだ」と。理性が自分自身成熟する自由を持っているに拘らず....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
て死ぬという事も別段怖くもなかった。この時は十九歳であったが、今の兵隊が二十歳の
丁年で従軍して敵に対って別に怖れもせず、勇往奮闘する心理状態の如きも、これから推....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ロヴィッチの三人の息子のうち、自分はとにもかくにも、若干の財産を持っているから、
丁年に達したら独立することができるという確信をもって成長した唯一の息子であった。....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、そこの入口に陣取っていました。なかでいちばんす早いやつでも、ききんの惣領息子が
丁年になったような顔をしています。そのほかは、めくらかいざりがぼろにくるまって出....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
フランは修道院に支払われたものだった。その遺産は第三者の手に保管され、コゼットが
丁年に達するか結婚するかする時彼女に渡されることになっていた。それらのことは、読....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
な。
神話の女は別な物だ。あれは詩人が
都合の好いように書いて見せるのだ。
いつ
丁年になるでもなく、年が寄るでもなく、
いつも旨そうな肉附をしていて、子供半分で....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
の児が生れた。 表向は長男で、実は光子の連子《つれこ》になる為年《ためとし》が
丁年になった時、多年秘密の父から光子の手許《てもと》に送られていた教育費が途絶え....