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丁稚奉公
「丁稚奉公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丁稚奉公の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
している。一年には何千両という儲《もう》けがある。それでお前を迎いに来た。大工の
丁稚奉公などしていても多寡が知れている。おれと一緒に西国へ来て大商人《おおあきん....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
ではなかった。独立心というような、個人主義というような、妙な偏った一種の考えが、
丁稚奉公をしてからこのかた彼の頭脳に強く染み込んでいた。小野の干渉は、彼にとって....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
、マダラがなく、ムラがなく、仕上げが綺麗に出来ている。ああいう手際というものは、
丁稚奉公《でっちぼうこう》をして五年十年|遣《や》らなければ出来ないでしょうけれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、何を隠しましょう、と大きく出るほどの者ではございませんが、実はあのころ山岡屋に
丁稚奉公《でっちぼうこう》をしておりました」 「はあ、山岡屋の番頭さんか、それは....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
いるかと訊ねた。 「知っているかですって!」と、スクルージは答えた。「私はここで
丁稚奉公をして居たことがあるんですよ。」 彼等は中に這入って行った。ウエルス人....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
してはたあいのないことでした。
土方歳三が、武州日野在から出て、上野の松坂屋へ
丁稚奉公《でっちぼうこう》に入れられたのは、十六七の頃でもあったろう。歳三だから....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
気の廻る子供だったが、しかしそのころは大阪では良家のぼんちでない限り、たいていは
丁稚奉公に遣らされるならわしだったのだから、世話はない。 いったいに私は物事を....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
代おくれの考え方はよした方がいいぜ。これからの世のなかは、まかり間違えば、子供を
丁稚奉公にでも出すぐらいの考えでいなくちゃあ……」 「まあ情けない!」 「大学を....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
店でヒエロニモ四郎に洗礼を授けた当の神父であつた。 四郎は八ツの年に二官の店に
丁稚奉公にあがつたが、彼はいはゆる神童で、この界隈では四五歳の四郎の筆蹟を額にお....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
い。僕もまた幾ぶんかそう思うけれども、二十歳の者なら二十歳の一人前並みであるか、
丁稚奉公《でっちぼうこう》の職にあるものならば丁稚《でっち》の一人前のことをなし....
「澪標」より 著者:外村繁
級に留められたこともあったという。が、とにかく小学校を終ると、直ぐ新村孝兵衛家へ
丁稚奉公に上った。父は新村商店に十数年間勤続し、明治二十八年、母と結婚し、新村姓....