丁重[語句情報] » 丁重

「丁重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丁重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
階段」より 著者:海野十三
と共にこちらへ立ち上って来て、 「わたくしが佐和山佐渡子でございます」と丸い肩を丁重に落して挨拶した。 「理学士佐和山さんです。×大を昨年出られた……」と四宮理....
空中墳墓」より 著者:海野十三
事務所へかえれ。わしと根賀地とは公園を出たところでタキシを呼ぶから……。お客様は丁重に扱うんだぞ」 そう言いつけて車を返すと、私達二人は大急ぎで公園を駈けぬけ....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
我が強いらしいところがあった。 「飛んだ御迷惑をかけまして」と大江山警部の口調は丁重を極めていた。「実は部下のものが、こんなものを(と、二個の薬莢と一個の弾丸を....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、反物など。これは鈴木さんの友達の話である。 ◯首がとびこんで来て、われに向かい丁重に挨拶をしたという話もあるとて、村上先生大いに笑う。 ◯艦載機来襲以来、待避....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
という、大変な女だ。そういう、暗黒街に鳴る鏘々たる連中が、いかなる用件があってか丁重きわまる物腰で、折竹の七十五番街の宿へやってきた。 世界的探検家対ギャング....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
こ顔だ。 臼井が鞄を卓上へ載せる。 「開いていいですね」 「ああ、あけてくれ。丁重《ていちょう》に扱《あつか》えよ」 「はあ」 臼井は、鞄についている金色の....
地獄の使者」より 著者:海野十三
る。それだけのことなんだが……」 「どうもありがとうございました」 と、帆村は丁重に礼をいった。 検事は真面目な顔で肯いた。それから主任警部の大寺にいった。....
地球要塞」より 著者:海野十三
》に、恐悦《きょうえつ》を申し上げる!」 X大使と名乗る怪異な人物は、すこぶる丁重《ていちょう》な挨拶をした。私は、自尊心を傷つけられること、これより甚だしき....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
門をくぐった。 院長ドクター・ヒルは、五十を過ぎた学者らしい人物だったが、甚だ丁重に、仏天青を扱った。 「そういう病気は、今次の戦争において、極めて例が多いの....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
家族特有の同情を強いるような態度がない。寧ろ憎々しい迄に冷静を極めている。法水は丁重に弔意を述べた後で、まず昨夜の行動を訊ねた。 「ハァ、午後からずうっと茶の間....
妖怪学」より 著者:井上円了
を言えば、信仰心を起こさしむるの事情なり。例えば、種々の儀式を設け、装飾をなして丁重にこれを行うがごときは、いわゆる人の信仰心を促すものにして、あるいはその中の....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
には奇数の手を載するを規則とす。つぎにその使用法は、若干の人その周囲に座し、実に丁重なる言語をもって、「コックリ様、御寄りになりましたら、早く御回りを願います」....
昔尊く」より 著者:上村松園
、火の怖さを知り、火の大事さを覚え、それがいつか火を七輪におこしますとき私に火を丁重に扱わせたのでございましょうが、それからというもの、私は何事によらず、凡てを....
審判」より 著者:カフカフランツ
まってベッドにいて迎えるのだった。 しかしこの夜は――日中は仕事に追われ、また丁重で親しげな誕生日の祝いを言われながらたちまち過ぎ去ってしまったが――Kはすぐ....
俗臭」より 著者:織田作之助
いという婆さんの足腰を温泉で揉んでやったり、晩には酒の一本も振舞ってやったりして丁重に扱っていたが、湯崎へ来てから丁度五日目、ほんまに腰が抜けたと寝こんでしまっ....