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丁髷
「丁髷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丁髷の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
じ》長藏《ちょうぞう》と申して年六十七になり、頭は悉皆《すっかり》禿げて、白髪の
丁髷《ちょんまげ》で、頭痛がすると見え手拭で鉢巻《はちまき》をしているが、時々|....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
しいものです。
村の名物が段々無くなります。本文の「葬式」に出た粕谷で唯一人の
丁髷の佐平爺さんも亡くなり、好人の幸さんも亡くなりました。文ちゃんの爺さんも亡く....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ある黒い鞄《かばん》が転がっていた。
「ヤア!」
楽屋へ坐っていると、下男風な
丁髷《ちょんまげ》をのっけた男がはいって来た。
「随分御無沙汰しています。」
「....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
だから……。 杉山茂丸は茲に於て決然として起った。頑固一徹な、明治二十年頃まで
丁髷を戴いて、民百姓は勿論、朝野の名士を眼下に見下していた漢学者の父、杉山三郎平....
「旅愁」より 著者:横光利一
も少し見てやろうと思ってるんだ。」
「何を君は怒ってるんだ。君は日本にもう一度、
丁髷と裃を著せたくてしょうがないんだよ。」
「そんなことは君の知ったことじゃない....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
いことかも知れない。 日本人や支那人だって、ある時代の要求に応じて、その弁髪や
丁髷を切り落す時は、生命の玉を取り落とす以上に感じたことであったらしい。 それ....
「明治のランプ」より 著者:宮本百合子
とをきいておれば上杉家は大金持になったのに、と云った由。祖父は進取の方の気質で、
丁髷も藩士のうちでは早く剪った方らしく、或る日外出して帰った頭を見ればザンギリな....
「村の三代」より 著者:宮本百合子
ぞれちがっていて、地境にある草地の草を、どっちが先に刈るかというような争いから、
丁髷を振り立てて鎌戦さになることがあったのだろう。 明治の政府になってから五年....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
しきりは流行ったものである。 読物はこの頃になっては、ずっと新しくなっていて、
丁髷の人物にも洋傘やはやり合羽を着せなければ、人々がかえり見ないというふうだった....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
スピヤを香具師《やし》だとしていて、その代わりに、気取ったつまらない作家を喜び、
丁髷《ちょんまげ》王を感心させるクラヴサンの音楽などを喜んでいたのだ。そして小間....
「回想録」より 著者:高村光太郎
て隠居してからも連中が祖父のところに出入するのを、父は実に厭がったものだ。祖父は
丁髷をつけて、夏など褌一つで歩いていたのを覚えている。その頃裸体禁止令が出て、お....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
が緋縅の鎧に大身の槍を横たえて天晴な武者ぶりを示せば、重厚沈毅な大山将軍ですらが
丁髷の鬘に裃を着けて踊り出すという騒ぎだ。ましてやその他の月卿雲客、上臈貴嬪らは....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ると、捕手はいない、すぐ前の木立の蔭に、たッた一人の男が腰をかけている。 細い
丁髷、細い顎。異人墓から同行してきた平賀源内である。医者で作者で侍で商法家だが、....
「随筆銭形平次」より 著者:野村胡堂
く》いたのとはまったく違って、我々捕物作家は、|夢の国《ユートピア》を建設して、
丁髷《ちょんまげ》を持った法官刑吏達に、精神的な意味を持つ「信賞必罰」の実を挙げ....