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七分三分
「七分三分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
七分三分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
りよう》の道具を用いて頭の毛を左右に等分して嬉しがってるのもある。等分にしないと
七分三分の割合で頭蓋骨《ずがいこつ》の上へ人為的の区劃《くかく》を立てる。中には....
「野分」より 著者:夏目漱石
髪《そくはつ》の脳巓《のうてん》が見える。コスメチックで奇麗《きれい》な一直線を
七分三分の割合に錬《ね》り出した頭蓋骨《ずがいこつ》が見える。これらの頭が十も二....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
両極に位する性質のものでなければならない。そうして普通の人は十が十までこの両端を
七分三分《しちぶさんぶ》とか六分四分《ろくぶしぶ》とかに交《ま》ぜ合《あ》わして....
「足迹」より 著者:徳田秋声
御損の行く品物じゃありません。」小原は傍に手を突いて覗いているお庄と叔母との顔を
七分三分に見比べながら言い立てた。お庄はまた顔に袖を当てて笑い出した。 「いや真....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
突を越すかも知れん。……おまけにここは朝鮮最南端の絶影島だ。玄海灘と釜山の港内を
七分三分に見下ろした巌角の上の一軒家と来ているんだからね。一層風当りがヒドイ訳だ....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
の注視の的になりながら、これ見よがしに港口を出るや否や、マトモ一パイに孕んだ帆を
七分三分に引下げた。暴風雨模様の高浪を追越し追越し、白泡を噛み、飛沫を蹴上げて天....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
取着きに、肱を支いて、怪しく正面に眼の光る、悟った顔の達磨様と、女の顔とを、
七分三分に狙いながら、 (この辺に宗山ッて按摩は居るかい。)とここで実は様子を聞....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もとの座に直ったが、不出来ともなんとも申しわけをするのではなく、自分の書いた賛を
七分三分に睨みながら、主人の捧げる杯《さかずき》を取り上げました。 白雲が、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い》は来た時と変らないが、佐倉宗五郎が三枚橋へでも出かけるように、懐中に大奉書を
七分三分に畳み込み、肩に例の匙附きの青竹を担いだということが、判じ物のようです。....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
に黄昏を降静める。 慶造は眉を濡らす雫を払って、さし翳した笠を投出すと斉しく、
七分三分に裳をぐい。 「してこいなと遣附けろ、や、本雨だ、威勢が可いぜえ。」 ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いったでしょう? あれはここのところだと思います。先の頃、わたしは勇気と臆病さと
七分三分で、ひょいとしたとき、岸が恋しくなったのね、人声やジャーナリズムのざわめ....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
が、産業組合購買部から配給される米には一斗に二升の平麦が添加されることになった。
七分三分、あるいは六分四分に米麦を混合して常食としている農民は、平常から栄養摂取....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
だ。 そして、玉石の上へ腰を下ろし、激流の白い泡を前にし右に赤城、左に榛名を、
七分三分に眺めながら、悠々と箸を運んだのであった。学校当局は、それを見て怪しから....
「母の匂い」より 著者:佐藤垢石
、二人の間の浅い瀬脇へ浸けてから、鈎をおろすのを慣わしとした。道糸を流して流れの
七分三分のところまで行くと、目印につけた水鳥の白羽がツイと揺れる。若鮎が、毛鈎を....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
うな勢いの『ヘルキュレス』、勝目のところはよく行って四分六《しぶろく》、せいぜい
七分三分の兼ね合いというところ、何分《なにぶん》にも望みのすくない話でごぜますが....