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七十五日
「七十五日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
七十五日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
し訳のないことに思って嘆いた。 「そんなことをいつまでもくよくよするな、人の噂も
七十五日で、そのうちには自然と消えてしまうに決まっている。ちっとの間の辛抱じゃ。....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
漂ういきな一構えでした。 だから、伝六のことごとく悦に入ったのは当然なことで、
七十五日長生きをしたような顔をしながら、あけっぱなしで始めました。 「ほう、ねえ....
「新生」より 著者:島崎藤村
いサ。こういう人生もあると思って読んでくれる人もあるだろうサ」
「まあ、人の噂も
七十五日ッて言いますから、今に何処かへ消えちまう時もまいりましょう――もうこんな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
るばかりです。 卑怯なようですけれど、それよりは当分|地方へ引込んで、人の噂も
七十五日と云うのを、果敢ないながら、頼みにします方が、万全の策だ、と思いますから....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ほど過ぎるまで、この一件に就いてはなんの新らしい報告も持って来なかった。人の噂も
七十五日で、潮干狩の噂はだんだんに消えて行った。半七もほかの仕事に忙がしく追われ....
「黴」より 著者:徳田秋声
しい問題じゃあるまいと思うがね。女さえ処分してしまえば、後は見やすいよ。人の噂も
七十五日というからね。」 「どうだね、やるなら今のうちだよ。僕及ばずながら心配し....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
出かけ、初生の茄子一つは二|文、二つは三文と近在の百姓が売りに来れば、初物食って
七十五日の永生きと皆々三文出して二つ買うのを、あるじの分別はさすがに非凡で、二文....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちに、夜な夜な薬屋の裏手の竹垣には大きな穴がいくつもあいた。ここへ来てから、もう
七十五日は過ぎたのに、お豊の噂《うわさ》だけは容易になくなりません。 かの藍玉....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
を想い出した今となっては、もはやそんなことをいっていられない。幸いにも、人の噂も
七十五日という、そこまでは経っていないが、あれからもう三週間もすぎていることゆえ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が隆々として、一代の権勢にいるのに、駒井は失脚以来、その生死すらも疑われている。
七十五日は過ぎたが、その人の噂《うわさ》というものは、時事の急なる時と、急ならざ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
ていたので、その場合何事にも携わらなんだ。もう三年か四年かと、指を折るほど前に、
七十五日も通越したから、更めて思出すほどでもなし、おいそれと言に従いて、極りの悪....
「置土産」より 著者:国木田独歩
ず大概は軍夫と定まりおれば、吉次もその一人ぞと怪しむ者なく三角餅の茶店のうわさも
七十五日|経たぬ間に吉次の名さえ消えてなくなりぬ。お絹お常のまめまめしき働きぶり....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
も人にも許さるべしや。)と追つけ、慚愧後悔をするのです。 能登では、産婦のまだ
七十五日を過ぎないものを、(あの姉さんは、まだ小屋の中、)と言う習慣のあるくらい....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
国に産所村あるは、往古神道盛にして、懐胎の女臨月に及びて此の産所村に入りて、産後
七十五日の汚穢を除き、本の村に還住す。故に自其の村を呼んで産所村といふなり。 蒲....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
「そんなことよりみていたら分りそうなもんじゃァねえか? ――あんなにいろ/\……
七十五日まだ経たねえんだから無理もねえが、いまだに好きなことをいろ/\書いている....