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「七彩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

七彩の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の日」より 著者:梶井基次郎
充《みた》した石鹸玉が、蒼ざめた人と街とを昇天させながら、その空気のなかへパッと七彩に浮かび上がる瞬間を想像した。 青く澄み透った空では浮雲が次から次へ美しく....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ゃがま》をかけた竈《かまど》の火で暖かく、窓の色硝子の光線をうけて鉢の金魚は鱗を七彩に閃めかしながら泳いでいる。外を覗いてみると比良も比叡も遠く雪雲を冠っている....
少女地獄」より 著者:夢野久作
風船玉であった。その下を渦巻く男女は皆タキシード、振袖、背広、舞踏服なんどの五色七彩で、女という女、男という男の背中からそれぞれに幾個かの風船玉が吊り上っている....
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
ビヤン・ナイトだ。 どうも美事なのに驚いた。青豆色の天井。古黄金色の四壁。五色七彩の支那|絨氈。蛇紋石の大暖炉。その上に掛かった英国風の大風景画。グランドピア....
河明り」より 著者:岡本かの子
類して精力を愛するこの原始の宗教が、コーランを左手に剣を右手に、そして、ときどき七彩の幻に静慮する回教に、なぜ南方民族の寵をば奪われたのであろうか。そしてその回....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
返しながら、更に、新しい、宝石箱の蓋を刎《は》ねて、今度は、灯の光りをうけると、七彩にきらめく、白い珠玉を、ソッと、さも大事そうに、つまみ上げて見るのだった。 ....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
やがて正面上段の白雲黒雲の帳が開かれますと、水晶の玉座の上に朝の雲、夕の雲、五色七彩の袖眼も眩く、虹霓の後光鮮かにホリシス神が出現しまして、赫燿たる顔色に遍く法....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
、各々五色の輝を放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客、句読、いずれも個々別々、七彩に照って、かく開きました真白な枚の上へ、自然と、染め出さるるのでありまして。....
古狢」より 著者:泉鏡花
んで、 「お釈迦様と、お閻魔さんとは、どういう関係があるんでしょう。」 唯今、七彩五色の花御堂に香水を奉仕した、この三十歳の、竜女の、深甚微妙なる聴問には弱っ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
酒も、ぐッぐと咽喉へ支えさしていたのが、いちどきに、赫となって、その横路地から、七彩の電燈の火山のごとき銀座の木戸口へ飛出した。 たちまち群集の波に捲かれると....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
次から次へと ふき込まれる命の新しさに愕いて われと我が身を あやしみながら七彩にきらめき いとしきひとの かたへと飛ぶ。 あしたのたのしみ たった....
女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
っとしてそれこそ、ばら色の靄でもかかっている様な、春暁のねむりの中に、ほっかりと七彩の夢の浮橋があとさきもなくかかっている。そこに曙の精とよばるる女神が裳をひい....
晩春」より 著者:岡本かの子
た、堀の水が半濁りに濁って、表面には薄く機械油が膜を張り、そこに午後の陽の光線が七彩の色を明滅させている。それに視線を奪われまいと、彼女はしきりに瞬きをしながら....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
プスの山々は薄い朝霧の中で明け始めた。頂きがまず桃色に染まりおいおい朱に、やがて七彩の氷暈《ハロ》が氷の断面一帯に拡がり始める。風が少し出て鋭い朝の歌を奏し、落....