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七転八倒
「七転八倒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
七転八倒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
構わねえ、陸へ上って呼吸が吐きたい、助け船――なんのって弱い音さ出すのもあって、
七転八倒するだでな、兄哥|真直に突立って、ぶるッと身震をさしっけえよ、突然素裸に....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
なかなか調子が悪く、またスキーを履いてからも暗いのとスキーが下手なので例のごとく
七転八倒。本谷と出合ってから、ランタンに火を点そうとすると蝋燭が雪で濡れジーと音....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
てくる。机博士はみるみるうちに、全身針鼠のようになって、床のうえに倒れ、しばらく
七転八倒していたが、やがて、ピッタリ動かなくなった。 これが悪魔のような机博士....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
す。言葉は気をつけなければ不可ませんね。 食不足で、ひくひく煩っていた男の児が
七転八倒します。私は方々の医師へ駆附けた。が、一人も来ません。お雪さんが、抱いた....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
める。さまでは、とうけて恐る恐る干すと、ややあって、客僧、御身は苦悶し、煩乱し、
七転八倒して黒き血のかたまりを吐くじゃ。」 客僧は色|真蒼である。 「驚いて少....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
あれ、誰が来て怨む、彼が来て責める、咽喉を緊める、指を折る、足を捻る、苦しい、と
七転八倒。 情人が押懸けるんです。自分で口走るので、さては、と皆頷いた。 浅....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
のは数日後であった。 完全に五十時間の私を記憶していない。唯、人の話によると、
七転八倒し、苦しみもがき、嘔吐し、自分の髪の毛をひっちぎり、よく云われる生きなが....
「文人囲碁会」より 著者:坂口安吾
将棋さしと同様に、じらしたり、いやがらせたり、皮肉ったり、悪道無道のことをやり、
七転八倒、トコトンまでガンバって、投げるということを知らない。そのうえ、僕を酔わ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
にして、宿六の眼は暗闇の底へとざゝれてしまつた。 富子は着物をきかへる。宿六は
七転八倒、途中に正気づいては大変と、もう一つの火鉢の灰を頭からぶちまけて、眼も鼻....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
うものではなく、盲目的な媚態がその激痛をすら薄めているという性質のものであった。
七転八倒というけれども、私は至極の苦痛のためにある一つの不自然にゆがめられた姿勢....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
すると白衣の男が、 「ヒッ、ヒッ、ヒッ」 と呻きをたてゝ、足をバタバタふり、
七転八倒、廊下をころがって、泣きだしたからサルトルもおどろいた。 「コウーラッ!....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
時でないと、モヒを打ってもらわないようにしているのである。 痛みはひどかった。
七転八倒というほどではないが、エビなりに身をまげて、自然に唸ってしまう程度である....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
天真ランマン、悪童の弱点をさらけだしているだけなのである。自分が悪いとなったら、
七転八倒、話の外の騒ぎである。 碁将棋では、盤外作戦ということを云う。盤外の言....
「安死術」より 著者:小酒井不木
膜炎などの患者の苦しみ方は、到底見るに堪えぬほど悲惨なものであります。寝台の上を
七転八倒して、悲鳴をあげつつもがく有様を見ては、心を鬼にしなければ、強心剤を与え....
「狂女と犬」より 著者:小酒井不木
すと、其胎盤は比較的新らしいが、腐敗しかけて居たので、腐敗毒の為に、五人のものは
七転八倒して苦みながら絶命しただろうとのことでした。其時分村にお産はありませんで....