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「七重八重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

七重八重の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鬼涙村」より 著者:牧野信一
れた。あまり面白そうなので私も折々遅ればせに出かけては石燈籠の台に登ったりして、七重八重の見物人の上からじっと円舞者連の姿を見守っていた。円陣の中央には櫓《やぐ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
たるが一両年この方大分に古びもつき、新しく江戸の名所をここに悌だけでも留め得た。七重八重花羞かしき乙女の風流をも解し得ざった昔の御大将はともあれ、今の都人士にそ....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
女から老婆までの女がどっさり奴隷として働かされていた。藤原氏の貴婦人達が着ていた七重八重の唐衣、藤原氏の紳士達がたいへん温いものだと珍重して着た綿衣、それらは、....
非人道的な講和条件」より 著者:与謝野晶子
かにこれを裏切って、現に独逸人その物を極度に敵視し、あらゆる強暴苛酷な条件を以て七重八重は疎か、十重二十重にその未来の発展を阻害しようとのみ計っています。もしこ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
袖を幾つか重ねて送れという謎かと見た。それならば最と安いこと。綾錦の装束なりとも七重八重かさねて仕立てさするは、十日か半月の間にもなることじゃ。但しはほかに子細....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ん。 (はてな、)と少々照れたでがす。その癖心寂しいほど寂――」 花にはあらず七重八重、染めかさねても、もみじ衣の、膚に冷き、韓紅。 「――閑としているじゃが....
日和下駄」より 著者:永井荷風
なめ》八《や》ツ手《で》なぞの庭木さえ多年手入をせぬ処から今は全く野生の林同様|七重八重《ななえやえ》にその枝と幹とを入れちがえている。時節は丁度初夏の五月の事....