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「万乗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万乗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二人小町」より 著者:芥川竜之介
まだ美しい盛りなのです。どうか命は助けて下さい。 使 いけません。わたしは一天万乗《いってんばんじょう》の君でも容赦《ようしゃ》しない使なのです。 小町 あ....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
望み得たとは、有名な話である。 畏れ多い限りではあるが『慶長軍記抄』に依れば「万乗の天子も些少の銭貨にかへて宸筆を売らせ給ひ、銀紙に百人一首、伊勢物語など望み....
近時政論考」より 著者:陸羯南
。南地中海岸より北スカンジナーヴに至るまで大小の諸国は仏国の旗色を見て降を請い、万乗の王公は仏国武官の監督を受けてわずかにその位を保ちその政を執ることを得たり。....
運命」より 著者:幸田露伴
白雲の跡を逐い、或は草庵、或は茅店に、閑坐し漫遊したまえるが、燕王今は皇帝なり、万乗の尊に居りて、一身の安き無し。永楽元年には、韃靼の兵、遼東を犯し、永平に寇し....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
はない。二十インチの巨砲群、八十台にあまる重爆機隊、そういうものの狙の前に、一天万乗の君まします帝都東京をはじめ、祖国の地を曝させてはたいへんである。一命のあら....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
「へえ」 「そら御輿がお通りになる、頭をさげい、ああおやせましましたこと、一天万乗の御君が戦塵にまみれて山また山、谷また谷、北に南に御さすらいなさる。ああおそ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
長門の下の関――赤間ヶ関、悲しい名でございます。寿永の昔にあの赤間ヶ関の浪の末に万乗の君がおかくれになりました、その赤間ヶ関の名は、ほとんど日本の国の終りのよう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
身でわが身が持扱いかねている、そうすれば当然、政権は公家の手に戻り、大日本は一天万乗の君の御親政となる。そちは、それを悦ばしいとは思わぬか、早く、左様な時勢の来....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
のである。御妹君におむかい、「吾が大王ものな思ほし」といわれるのは、御妹君は一天万乗の現神の天皇にましますからである。 ○ 飛ぶ鳥の明日香....
にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
はないと存ずる』 こう説いて、睫毛に宿る露を長袖で拭った。岩倉は、かねがね一天万乗の君のご前へ供え奉る御膳が、どんなに質素で、いや質素を通り越してお粗末である....
赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
がに正成の心中にも、感慨が湧かざるを得なかった。 河内の国の一豪族の身が、一天万乗の君に見出され、たのむぞよとの御言葉を賜わった。何んたる一族の光栄であろう。....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
が、我が国火葬の初めだとある。その後僅かに中一年を措いて大宝二年には、持統天皇は万乗の尊い御身を以て、御遺骸を荼毘に附せられ給い、爾後歴代の天皇大抵この式によっ....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
でも飼って食用に供したのであった。したがって神にも生贄として獣類を供え、上は一天万乗の天皇を始め奉り、下は一般庶民に至るまで、みな一様に肉を食したのである。した....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
、実をいえば肉食はわが国固有の風習で、昔は決して穢れとはしませんでした。上は一天万乗の大君を始め奉り、下は一般民衆に至るまで、みなこれを口にして憚りませんでした....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
上がったに相違ありません。神々様にもむろん供物として、これを捧げました。上は一天万乗の天皇を始め奉り、下は一般庶民の末に至るまで、肉食は普通のことであったのです....