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万事休す
「万事休す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万事休すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
だった。慎太郎は誰よりずっと後に、暗い梯子《はしご》を下《お》りながら、しみじみ
万事休すと云う心もちを抱かずにはいられなかった。…………
五
....
「路上」より 著者:芥川竜之介
「所がだ。惚れられるまでは、まだ退屈でも我慢がなるが、惚れられたとなったら、もう
万事休すだ。征服の興味はなくなってしまう。好奇心もそれ以上は働きようがない。後《....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
大家たるK氏が、あいつの「邂逅」を激賞したという噂を、新聞で読んだ時、俺はもう「
万事休す」だと思った。もう、あいつの声価は決った。あいつが不意に死なない限り、文....
「号外」より 著者:国木田独歩
なら言ったがいいじゃアないか、加藤さん早く言いたまえ、中倉先生の御意に逆ろうては
万事休すだ。」と満谷なる自分がオダテた。ケシかけた。 「号外という題だ。号外、号....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
を撫で、頭髪に触れてみた。もしや指の先に、大竹女史の身体が触ったなら、そのときは
万事休すといわなければならない。 いやいや、霊媒は、大竹女史に限ったことはない....
「殺人の涯」より 著者:海野十三
両腕が全く動かなくなってしまった。警官が私の腕をシッカリ抑えてしまったのだった。
万事休す!。 「私は女房を殺すつもりは無かったのです。嘘は云いません。本当なので....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
良井遊廓 花魁初菊 鴨川 布助 痺れる脳髄! もし此処で卒倒したらば、それで
万事休すだ! 弦吾は無形の敵と闘った。血を油に代えて火を点じ、肉を千切って砲弾....
「地球盗難」より 著者:海野十三
がもう呪文の効き目はなかった。甚平は完全に催眠術から覚めてしまった。こうなっては
万事休すだった。遉の佐々砲弾も諦めて退散するより外なかった。 大隅学士は、下宿....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いているだけである。きょうもその通りの姿であったが、最後の一線もいよいよ破られて
万事休すと見るや、彼は手早くその半股引をぬぎ取って、なにか呪文のようなことを唱え....
「もくねじ」より 著者:海野十三
い声をたてて、コンクリートの床に転がった。頭の角をいやというほどぶっつけた。ああ
万事休す! ぼくは、又もや大きな悲しみの淵に沈んだ。床から機械の元の穴まではず....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
笑っている体の大きい士官の顔! あ、リーロフ大佐だ! 本もののリーロフ大佐だ!
万事休す 「あ、リーロフ大佐だ!」 太刀川時夫は、潜水着の中で、おもわずさけん....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ミチミを恋人にしていたような態度で「ミチミ、ミチミ!」と呼んでいるのだった。ああ
万事休す矣。また何という深刻な宿命なのだろう。お千と自分との無様な色模様を見せた....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
、余の乗れる船はついに地球の果に達し、今しもこの一大氷山の一角に乗りあげしなり、
万事休す! 余は思わず甲板上に身を投げて慟哭せり、されど泣けばとていかでかこの悲....
「取舵」より 著者:泉鏡花
の方に顕れたる船長は、矗立して水先を打瞶りぬ。俄然汽笛の声は死黙を劈きて轟けり。
万事休す! と乗客は割るるがごとくに響動きぬ。 観音丸は直江津に安着せるなり。....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
)もう仕方がありません。私は神に見放されたのです。 (男は目を瞑じ、腕をくんで、
万事休すというが如くに嘆息す。李の夫婦は顔をみあわせる。) 李中行 なんだか謎の....