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「万人向き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万人向きの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
集しながら、文芸欄では永井荷風などの作品をのせ、伝統的な老大家の名声とその作品の万人向きなエロティシズムで広汎な読者を誘い寄せた。このような編集ぶりはその後一年....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
絵の方では、永洗《えいせん》系統の井川洗※《いかわせんがい》が、十年一日の如く、万人向きの美人を描いて、あきもあかれもせぬところは、これまた一つの力であり、年英....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
が万葉集の短歌として是非知って居らねばならぬものを出来るだけ選んだためであって、万人向きという意図はおのずから其処に実行せられているわけである。ゆえに専門家的に....
自由人」より 著者:豊島与志雄
ていいんだ。凡そ応接室にあるべきものは一通り揃っているが、特別なものは何もない。万人向きの極めて平凡普通な応接室だ。」 千重子が黙っているので、八重子が言った....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
は真実であるに相違ない。しかし、治す人と治される人には相対的なツナガリが必要で、万人向きのものではないにきまっているし、呉氏が人の病気を治し得たのも「ある期間」....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に至ったぐらい、その神経が一風変っている。これが変り者の世良田とは合うけれども、万人向きの妙心とはダメで、妙心の魅力もまったく別天王をうごかすことができないのだ....
衰えてきた日本料理は救わねばならぬ」より 著者:北大路魯山人
するという意味のみになって、料理から個性というものが失くなり、ただ上っすべりした万人向きの無意義な薄っぺらなことにして、お茶を濁しているように思われます。上っす....
昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
量かけて、その上に浅草のりのもみ粉を少し振り掛けて食べる。ただこれだけであるが、万人向きに美味いものであって、食通をよろこばすに足る調子の高い料理である。 こ....