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万化
「万化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ただ不思議な変化の起こったのは心ばかりだった。荒磯《あらいそ》に波また波が千変
万化して追いかぶさって来ては激しく打ちくだけて、まっ白な飛沫《ひまつ》を空高く突....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ころか、彼は勤務に熱愛をもっていたのである。彼にはこの写字という仕事の中に、千変
万化の、楽しい一種の世界が見えていたのである。彼の顔には、いつも喜びの色が浮かん....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
二十本位にも見えて、動いたかと思うと途端にピタリとまた黒目を狙い指しながら、千変
万化、実にすばらしい妙技でした。 「若僧やるな! 鳥刺しといい貴様といい、愈々|....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
誰の手にだって負えるもんですか。あの人の気持なんか、僕になんか分りませんよ、千変
万化ですよ、僕なんかいい加減、引っぱり廻されていたんですよ。……」そう云って、美....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
でもある。そこで終局の目的は永遠の中に没してしまう。刹那の面に現われるものは千変
万化の方便、修行の道である。 わたくしは老年の手習をはじめるつもりでこの文章を....
「荒磯の興味」より 著者:佐藤惣之助
所があったり、峨々たるところ、坦々たるところ、辷ったり、曲ったり、尖ったり、千変
万化に岩が配置されているから、どこから行って、どこを通るという見当さえつかない所....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ろ笑い出されるおそれがありますが、こういった荒凉たる神秘的な土地にあっては、千変
万化する自然力のことを知らない人たちの笑い草になるようないろいろのことも、ありそ....
「嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
々の判決例は固定した「法」の各個の適用ではなくして、「具体的妥当性」を求めて千変
万化する「法」の何物たるかを推論すべき重要材料だと考えるのです。 この意味にお....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
ていると言っていいであろう。その砲煙弾雨の中を一意敵に向って散開し、躍進する千変
万化の姿は、男性の姿態美の中でも、最高潮した「気をつけ」の緊張美以上に超越したも....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
から、種々の装身具小道具まで巧みに隠してあった、彼は自動車の疾走中にいかなる千変
万化の変装でも為し得るのであった。 かくてドーブレクの邸に現れたのが、フロック....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
情、風俗より天文、地理、気候、地味にいたるまで、いやしくもわが体外に囲繞せる万象
万化、みなことごとくわれを教育して一時も休まざるものなり。ゆえに、人もしこの種の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
かぶ。 帯水襟山対酔帰。 (港は水をめぐらせ山を襟のようにして夕映えに対す、千変
万化する気象の跋波磯である。この町の人々は風流の趣を解せず、みだりに酒屋に入って....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ますな。
あの鬼どもは雲のうちにさまよいつつ広がっていて、
八方から人間に
千変
万化の危害を加えようとしております。
北からは歯の鋭い、矢のように尖った舌の鬼共....
「常に自然は語る」より 著者:小川未明
を起し、電光を発し、風を呼び、雨をみなぎらせるのであるが、そのはじめに於て、千変
万化の行動に関して、吾人のはかり知ることを許さないのが雲である。 神出鬼没の雲....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
応じて、各隊に明確な任務を与え各隊間共同の基準をも明らかにする。しかも戦況の千変
万化に応じ、適時適切にその意図を決定して明確な命令を下さねばならない。自由放任は....