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万古
「万古〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万古の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
包まれているためである。穂高といわず、槍ヶ岳といわず、奥常念、大天井に至るまで、
万古の雪は蒸発しないで下層から解ける雪だ、死の如く静粛に、珠の如く浄美な雪から解....
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
《せいそく》し繁殖し、また静かにものを思いつつある様は、これぞまさしく神ながら、
万古不易の豊葦原《とよあしはら》瑞穂国《みずほのくに》、かの高志《こし》の八岐《....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
な》ぎる雲を下界に披《ひら》く大虚の真中《まんなか》に、朗《ほがらか》に浮き出す
万古《ばんこ》の雪は、末広になだれて、八州の野《や》を圧する勢を、左右に展開しつ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
たぐら》から覗《のぞ》いて見るとまた格別な趣《おもむき》が出る。セクスピヤも千古
万古セクスピヤではつまらない。偶《たま》には股倉からハムレットを見て、君こりゃ駄....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
|将士銜舌 |桶狭如桶雷擘裂 |驕竜喪元敗鱗飛 |撲面腥風雨耶血 一戦始開撥乱機
万古海道戦氛滅 唯見血痕紅紋纈 笠寺の山路ゆすりしゆふたちの あめの下にもか....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
ソビエト映画を見た。 中央アジアの、人煙稀薄な曠野の果てに、剣のような嶺々が、
万古の雪をいただいて連なっている。 その荒漠たる虚無の中へ、ただ一筋の鉄道が、....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
十死無生の、あの合戦。この悲壮な合戦、この凄愴な最期があったればこそ、正成の志は
万古に生きることになった。人は、この戦を思うと、楠氏の志は必ず、思出す。即ち、正....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
従って流るべき方向へ流れているに過ぎないし、詩人でない駒井は、「そぞろに覚ゆ蒼茫
万古《そうぼうばんこ》の意、遠く荒煙落日の間《かん》より来《きた》る」と歌うこと....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
的な支配様式に照応するものであったのだから、教育統制も亦当然、日本一国の特殊性、
万古無比の歴史というものの構成を離れて成立することが出来ない。ここに吾々は、日本....
「詩想」より 著者:国木田独歩
まずきぬ。一人あなやと叫びてその手を執りぬ。二人は底知れぬ谷に墜ち失せたり。千秋
万古、ついにこの二人がゆくえを知るものなく、まして一人の旅客が情けの光をや。 ....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
も、親朝の腐れたる心には、馬耳に東風、城陥りて、親房の雄志終に伸びず。名文空しく
万古に存す。 当年の関城主は誰ぞや。関宗祐、宗政父子也。延元三年、親房は宗良親....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
関係ほとんど天然なるがごとくなれども、スチュアルト・ミルは『婦人論』を著わして、
万古一定動かすべからざるのこの習慣を破らんことを試みたり。英国の経済家に自由法を....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
化融合せしめて、彼らを幸福なる国民となし、自他ともにその慶に浴せしめ給うことが、
万古不易の一大信条となっていたのである。さればその頑冥にして、到底教導し難きもの....
「葛根湯」より 著者:橘外男
御意の変らぬうちにと、私は早速御苦労千万にも近所の薬屋から葛根湯を一包とついでに
万古焼きの土瓶を買って来て、野郎の面前でガス焜炉へ掛けてグツグツと煮たて始めたが....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
しきに似たり。しかしてその急速の心中に、秀然として高く皓然として潔き、一種卓絶、
万古不朽の元気ありて存す。その気発しては愛国の精神となり、凝りては尊王の忠魂とな....