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万国旗
「万国旗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万国旗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
の商船だのが一ぱいならんでいて、煙突から煙の出ているのや、檣《ほばしら》から檣へ
万国旗をかけわたしたのやがあって、眼がいたいように綺麗《きれい》でした。僕はよく....
「逆行」より 著者:太宰治
少女たちが、くぐりぬけすりぬけしてひらひら舞い飛んでいるのである。ああ、天井には
万国旗。 大学の地下に匂う青い花、こそばゆい毒消しだ。よき日に来合せたるもの哉....
「狂言の神」より 著者:太宰治
のナポレオン君が、ゆうべにかわらぬ閑雅《かんが》の口調でそうすすめて、にぎやかの
万国旗が、さっと脳裡《のうり》に浮んだが、ばか、大阪へ行く、京都へも行く、奈良へ....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
ほんかい》だと、感動して、眺《なが》めていた。殊に、あの日、塔上に仰《あお》いだ
万国旗のなかの、日の丸の、きわだった美しさは、幼いマルキストではあったぼくですが....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
した小春日和だったが、翌日からしとしと雨が降り続いた。四畳半の部屋一杯にお襁褓が
万国旗のように吊された。 お君は暇を盗んでは、豹一のところへしげしげとやって来....
「海底大陸」より 著者:海野十三
、まるで鉄屑置場からひっぱりだしたように見える。 しかし、船内からありったけの
万国旗をひっぱりだし、ほばしらから、ほばしらへはりめぐらして、せめて海の女王の身....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
たり、火の輪を潜り抜けたりする中に綺麗に縄を脱けてしまうんです。それから長い長い
万国旗を馬の耳から引き出したり、帽子の中から火を燃やして、その中から鳩を掴み出し....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
記事には一行も書いて無かったが、向うの本桟橋の突端に横付けしている慶北丸が新しい
万国旗で満艦飾をしている。五百|噸足らずのチッポケな船だったが、まるで見違えてし....
「今日の耳目」より 著者:宮本百合子
駄菓子屋の軒に、いかにも三文菓子屋らしい祝意のあらわしかたで紙でこしらえた子供の
万国旗がはりまわされた。そこからも出る人があるのだ。ふだんは工場へでも通っていた....
「電気鳩」より 著者:海野十三
しでもって、ちょっちょっとつきました。 「ああそうですか。そこにぶらさがっている
万国旗の右から三番目のいろ――というと……」 と、鳩つかいは、ぶたいにはりまわ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
て踊りの環と同じ方向にゆる/\移っていた。布の端がこわばってめくれた新しい小型の
万国旗が子供の細工のように張り渡されていた。それに比較して色紐やモールは、けば/....
「雨」より 著者:織田作之助
小春日和だったが、翌日からしとしとと雨が降り続いた。六畳の部屋いっぱいにお襁褓を
万国旗のように吊るした。 お君はしげしげと豹一のところへやってきた。火鉢の上で....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
やら、必死になって殺伐な呼び込みをしている様子である。 さて、小屋掛けを終り、
万国旗と花飾りで幾分の装飾を加え、鼻眼鏡を掛けたペンギン鳥がタンゴ・ダンスを踊っ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
が見えた。山の緑が、そうして白楊のそよぎが燦々と光り、街の屋根が見え、装飾された
万国旗の赤、黄、紫が見え、青い海が見え、檣が見え、私たちの高麗丸が見え、ああそう....
「雨」より 著者:織田作之助
晴れた小春日和だったが、翌日からしと/\と雨が降り続いた。六畳の部屋一杯お襁褓が
万国旗の様に乾された。お君はしげ/″\と豹一の所にやって来た。火鉢の上でお襁褓を....