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「万巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
(Hakem)第二世はこの地に(多分誇張されたとは思われる報告によると)蔵書六〇万巻を算する図書館を設立したことになっている。この時代にかの偉大なアラビア人の天....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
国、支那に来たのはこの像法の初め、教学時代の初めなのです。インドで雑然と説かれた万巻のお経を、支那人の大陸的な根気によって何回も何回も読みこなして、それに一つの....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
たる猛火の名残を留めていた。 眇たる丸善の損害は幾何でも無いが、一万三千余種八万巻の書冊は其数量に於てこそ堂々たる大図書館の十分一将た二十分一にも過ぎないが、....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
内致しましょう」 兵庫は葉之助を導いて書籍蔵へ案内した。実に立派な文庫である。万巻に余る古今の書が整々然として並べられてある。 葉之助は心中感に耐えながら「....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
は、私の口からこんなことを申すのは口幅広いことのようであるが、浮世草紙の類は、一万巻は読んでいると思う。この頃『一代男』を一円で買ったものであるが、今日でも千円....
白痴」より 著者:坂口安吾
れも相当教養深遠な好一対としか見受けられない。気違いは度の強い近眼鏡をかけ、常に万巻の読書に疲れたような憂わしげな顔をしていた。 ある日この路地で防空演習があ....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
下さい。あなたが立派な人になって、私達夫妻の跡を弔って下されば、それこそ聖僧の何万巻の有難い読経にも勝るものです。 さて、何から話していいでしょうか。あなたは....
雪の宿り」より 著者:神西清
なって見えて参ります。あの名高い江家文庫が、仁平の昔に焼亡して、闔を開く暇もなく万巻の群書片時に灰となったと申すのも、やはり午の刻の火であったことまでが思い合わ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ある。小さな伝票用紙である。俳句は走り書きにしたためてあって、極めて読みにくい。万巻の書灰は夏の蝶と舞ひ そのように判読される。最初は「蝶と飛び」と据えてあっ....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
られてあった。しかも日本流の部屋ではない。阿蘭陀風の洋室であった。書棚に積まれた万巻の書、巨大な卓のその上には、精巧な地球儀が置いてあった。椅子の一つに腰かけて....
序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
って否定するものの心事が疑われてならない。(衆生済度の方便なら構わないが)傍に千万巻の経典を積んでも、自分の知識は「道徳の底に自己あり」という一言でこれを斥ける....
翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
申候。此旨を悟さんとて先賢ひたすら、形にあらず意にありと云ひ、又は千里の道を行き万巻の書を不読ば、筆蹟に俗趣生ずなど申候にて御座候。其師と致候古画に就て、古人如....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
って巻を釈く事が出来ず、とうとう徹宵して竟に読終ってしまった。和漢の稗史野乗を何万巻となく読破した翁ではあるが、これほど我を忘れて夢中になった例は余り多くなかっ....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
清に比すべき天才を見出さざる者が、千の辛も万の苦も経験せず、問疑答離の経験もなく万巻の書もとより繙閲せず、しかもただちに彼岸に達せんとするがごときは慨歎に値する....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
国でも人間が自ら苦んで、 その間に罕に一人位幸福な奴があったと云うことを、 己に万巻の書の中で読めと云うのか。 空洞な髑髏奴。なぜ己を睨んでいる。 お前の脳髄も....