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万年筆
「万年筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万年筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
河童《かっぱ》をつかまえようとしました。それは僕の油断を見すまし、その河童が僕の
万年筆を盗んだことに気がついたからです。しかし皮膚の滑《なめ》らかな河童は容易に....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ま、あとは口笛を鳴らし始めた。
その間に洋一は、そこにあった頼信紙へ、せっせと
万年筆を動かしていた。ある地方の高等学校へ、去年の秋入学した兄、――彼よりも色の....
「路上」より 著者:芥川竜之介
わざわざ席を離れるのは、面倒でもあるし、莫迦莫迦《ばかばか》しくもあった。そこで
万年筆へインクを吸わせながら、いささか腰を擡《もた》げ兼ねていると、哲学概論を担....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
、「自分の幸福は母が始めから一人で今も生きている事だ」と書いてのけた。そして私の
万年筆がそれを書き終えるか終えないに、私はすぐお前たちの事を思った。私の心は悪事....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
と思う。随分いやな頼まれごとでも快く承諾されたのは一再でない。或る時などは、私は
万年筆のことを書いて下さいと頼んだ。若い元気の好い文学者へでも、こんな事を頼もう....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
偶然に枠が傾斜をして紙と縁と三角形をなしていることもないとは言い切れぬことです。
万年筆の尖も三角なら、女のひたいも三角形をなしているのでしょう。それからそれへと....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
は鴨田理学士だった。「一昨日この爬虫館の前で拾得したので僕が事務所へ届けて置いた
万年筆ね、あれは先刻警官の方が調べられて、園長さんのものだと判ったそうですよ」 ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
だんだんふえて来たわけである。さてこそ日用品というものは大切であり、重宝なわけ。
万年筆一本、ナイフ一挺、メモ一冊なくなっても不便この上ないわけ。われわれの生活様....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ピストルの形をしないで、他の物品に似せて作ってあるもののように思われた。たとえば
万年筆の形をしたピストルだとか、扇子の形をしたピストルだとかを、暗殺者はよく持っ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
つな永い旅行をつづけるあいだに、たのしんだり、勉強をするためだった。 受信機や
万年筆や手帳やトランプやピンポン用具などは、買いかけたが、やめにした。こんなもの....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ものは、この皿と、この皿と……」 と、家政婦は十四点をあげた。帆村は一々それに
万年筆でしるしをつけた。 「それではね、こんどは残りの品物の中から、いつもこの部....
「火薬船」より 著者:海野十三
と、胸のポケットの上をたたいた。そのポケットの中には、彼ら一派が愛用している
万年筆の形をした消音小型ピストルが入っていた。 「それをこんなことにつかうのは、....
「空襲警報」より 著者:海野十三
、鼻の穴に思い思いの栓をした。或者は、消しゴムを切ったものをつめたり、また或者は
万年筆のキャップをつっこんだり、それから、また或者は一時の間にあわせに、綿栓をこ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
エギンとレンスキイが、真黒な二羽の鴉のように、不吉な嘴を向き合せていた。 彼は
万年筆をとりだすと、プログラムの端へ急いで書きつけた。 (失礼ですが、あなたはシ....
「競馬」より 著者:犬田卯
うのは彼の知り合いの時計屋である。最近地金の騰貴につけ込んで、入歯でも金時計でも
万年筆でも、金と名のつくものなら何でも買入れていることを彼は知っていたのだ。 ....