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万年雪
「万年雪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万年雪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
る。
雪と山とは、このように密接な関係があり、山上の雪は後に説明するいわゆる「
万年雪」や、氷河となっている。即ち永久に地殻の一部を作っているので、地質学者は雪....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
万年雪とける 昭和五十二年の夏は、たいへん暑かった。 ことに七月二十四日から....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
いゆきはばかり」と詠われた峰のあたりに一所白く寒々として眼に見えるのは谿に残った
万年雪でもあろう。少し下がった左の肩に昼の月が浮かんでいる。 しかし、老人も庄....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
想像以上の難事業で、到底人間業では出来ることではないのだ。我国には正しい意味での
万年雪というのはないそうであるが恐らくその辺の雪は数世紀間溶ける事を知らないでい....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
対照するために、密やかに布いている、恰度一枚の葉で、おもては深淵の空を映し、裏は
万年雪を象ったようである、卵形の白い花が八弁、一寸位の小さい花梗の頭に、同じく八....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
色をぼかしている。 「押し出し」の石崩れも登りつくした、灰を被むって黒く固まった
万年雪は、杖も立たないので、人夫が先に立って、鉈で截っては足がかりを拵えた、柱の....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
って、友人にハガキを書いていると、富士の雲が引いて取ったように幕を明け、銀磨きの
万年雪が、巨獣の斑紋のように二筋三筋キラリと光って、夏の富士にして始めて見るとこ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
万年雪《まんねんゆき》とける 昭和五十二年の夏は、たいへん暑かった。 ことに....
「超人間X号」より 著者:海野十三
すごいうなり声をあげて、つめたい風が、吹きつけてきた。 ぐんぐんひろがる雲。
万年雪をいただいた連山の峰をめがけて、どどどッとおしよせてくる。 ぴかり。 ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
うのではないの。変な、世界が変ったような、異様な感情ね。盛夏アルプスなんか登って
万年雪を見るとき、こういう感じがするのでしょうね。もっと大規模に。私はそうだとす....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
い鳥海山が長い裾を東西に伸ばしていた。山の肌はまだ蒼い。腰の辺りに幾とせ消え残る
万年雪が、まだらに白く秋陽に輝いていた。河口には、左にも右にも遠く白砂が続いてい....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
の辺の農家の石垣は、氷河の推し流した堆石を使ったりしているのが、私たち富士山で、
万年雪を物色したり、日本アルプスで、「カアル」の痕を、氷河時代の遺蹟か否かと、論....
「蓮月焼」より 著者:服部之総
分解して、大量のプロレタリアートとごく少数のブルジョアジーに自己を形成してゆく。
万年雪がとけて流れるように、この分解の行程が、明治のはじめから今日まで、ある時は....
「アラスカの氷河」より 著者:中谷宇吉郎
で満足するより仕方がない。 アラスカの氷河は、このカナダロッキーに降った雪が、
万年雪となり、それが渓谷にそって、太平洋測へ流れ下ったものである。アラスカのこの....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
なカールを東に抱いて、而も其中に積っている雪は、恐らく日本の高山に於ける最多量の
万年雪であろうと思われるに拘らず、白馬や杓子や若しくは黒岳などのように直ぐ脚もと....