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万死
「万死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
昔し島田は藤田東湖《ふじたとうこ》の偽筆に時代を着けるのだといって、白髪蒼顔
万死余云々《はくはつそうがんばんしのようんぬん》と書いた半切《はんせつ》の唐紙《....
「運命」より 著者:幸田露伴
、南軍|大に衰う。黄子澄、霊壁の敗を聞き、胸を撫して大慟して曰く、大事去る、吾輩
万死、国を誤るの罪を贖うに足らずと。 五月、燕兵|泗州に至る。守将|周景初降る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「御同意で忝《かたじけ》ない。ただし、これは強《し》いては申さぬこと、なおまた
万死を賭《と》して中山殿の御跡《おんあと》をお慕い申してみたい者は、そのようにな....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
君の奥方様ときまったお方に、かような、だいそれた無態を言いかけます以上は、その罪
万死にあたることはよく承知しております。しかし――しかし、萩乃さま、人間命を投げ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
せん、けれ共ことしはちゃんと植えます、前大戦のドイツはインフレーション飢饉で二十
万死亡しました、それは御免ですから。このあたりの隣組は全くわが家専一で、家の中の....
「四十八人目」より 著者:森田草平
んなに臆病者かしら?」と、彼はぼんやりあたりを見廻しながら呟いた。「俺はとにかく
万死を冒して吉良邸へ入りこんだこともある。そして、当夜の一番槍にも優る功名ぞと、....
「紫大納言」より 著者:坂口安吾
して、命を召されることも怖れはしまい。悔いもしまい。命をかけての恋ならば、たとい
万死に価しても、なお、一滴の涙、草の葉の露の涙、くさむらにすだく虫のはかないあわ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
段に当り、外は以て外交政略に関し、身命を抛擲《ほうてき》するの栄を受く、ああ何ぞ
万死《ばんし》を惜しまんやと、決意する所あり。即ち崎陽《きよう》において、小林に....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
府にして戦端を開かば、その底止するところ何の辺に在るべき。これ勝伯が一|身を以て
万死の途に馳駆し、その危局を拾収し、維新の大業を完成せしむるに余力を剰さざりし所....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
う一軒飲んで歩こうと考えてそうそうに立ち去ってしまったのだったから、不勉強の罪、
万死に値する。 松平紀義は私がポスターを見てから間もなくまたまた何かの事件を起....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
持つ男であり、一たび生死の関をあやうく越えてきた男であった。 数年前、ペレズは
万死の間をのがれて、スペインから渡ってきたものだった。フィリップ王の侍従長だった....
「西航日録」より 著者:井上円了
、君これに和す。その詩に曰く、 日本井上円了博士遠訪于哲孟雄金剛宝土贈詩和之
万死奔亡救国危、余生身世入須弥、何当空谷来鸞嘯、了尽人天更不悲。康有為 (日本の....
「三国志」より 著者:吉川英治
は、頭をかいて、 「軽々しく、司徒を疑って、何とも申しわけがない。こよいの罪は、
万死に値するが、どうかゆるしてくれい」 「いや、お疑いさえ解ければ、それでいい。....
「三国志」より 著者:吉川英治
林のあいだへ深入りしすぎた一事でございました。ために丞相の将士を数多うしない、罪
万死に値します」 「幼少より兵学を習い、今日まで幾多の戦場を往来しながら、狭道に....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
悪びれず信長へ訴えた。 「仰せを歪げて、自分一存の計らいを取りおきましたことは罪
万死に値いたしまする。法は紊すべからずです。今日参上いたしましたのも、まったくは....