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万法
「万法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万法の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
笑いになりながら、
「されば果《はか》なくないとも申されまいな。が、われら人間が
万法《ばんぽう》の無常も忘れはてて、蓮華蔵《れんげぞう》世界の妙薬をしばらくした....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
もっともおれの使ったのは、京童《きょうわらべ》の云う悪口《あっこう》ではない。八
万法蔵《はちまんほうぞう》十二部経中《じゅうにぶきょうちゅう》の悪鬼羅刹《あっき....
「虚構の春」より 著者:太宰治
いば》を受けたように得意になり、たかだか二万|法《フラン》の借金にも、彼は、(百
万法の負債に苛責《さいな》まれる天才の運命は悲惨なる哉《かな》。)などと傲語《ご....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ぼんのう》の体験と、「糸より細き縁ぢやもの、つい切れ易く綻《ほころ》びて」という
万法の運命とを蔵している。そうしてその上で「人の心は飛鳥川《あすかがわ》、変るは....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
はなります。しかしもっと進んでこの傾向の大原因を極めようとすると駄目であります。
万法一に帰す、一いずれの所にか帰すというような禅学の公案工夫に似たものを指定しな....
「デカルト哲学について」より 著者:西田幾多郎
道元《どうげん》は自己をならうことは自己をわするるなり、自己をわするるというは、
万法に証せらるるなりという。我々は抽象的意識的自己を否定した所、身心一如なる所に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
気が湧いて来る。
兵馬は、この快感と、勇気とをもって、安房峠を打越えながら、「
万法一に帰す、一何れに帰す」ということを考えさせられました。これは兵馬にとっては....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
盛んになりまして大乗が漸く衰え行くのを歎いて、馬鳴菩薩が大乗の妙理すなわち真如即
万法、
万法即真如の義理を信ずる心を起さしめんがためにお作りになったものだそうでご....
「死者の書」より 著者:折口信夫
てしまった。 唯畳まった山と、谷とに響いて、一つの声ばかりがする。 おおう……。
万法蔵院の北の山陰に、昔から小な庵室があった。昔からと言うのは、村人がすべて、そ....
「黒い手帳」より 著者:久生十蘭
みすぎたようなしどろもどろの口調で「どうです。凄いじゃありませんか。一と晩に二十
万法! ともかく最近モンテ・カルロはつづけざまにやられているんですよ。先週も三人....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
ぐ見つかった。 No. 27――と、カタログ番号が打ってあって、その下に、十五
万法と定価がついていた。 「これです」 クンケルは、うなずいて、二十七番の名簿....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
。のみならず彼は特赦状は二十七人連判状だけでたくさんだ、ボラングレーとの文書は四
万法渡さねば取引しないと嚇しつけた。 さすがのプラスビイユもこうなっては手も足....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
しいもので、赤へ賭ければ黒と出る、3へ張れば4と出るというわけで、勝ちあげた十五
万法は朝日の前の霜と消える。そうなると焦《あせ》るからたまりません。覚えのない三....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
というやつはいつになっても命とりですな。二十五万|法《フラン》勝って一度に二十五
万法すっちまったら、誰れだってそんな気持になりますよ。……人里離れたところで生気....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の歌った本所さえ今ではもう「歴史的大川端」に変ってしまったという外はない。如何に
万法は流転するとはいえ、こういう変化の絶え間ない都会は世界中にも珍しいであろう。....