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万波
「万波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万波の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
り。さるを其の是の如くなるに至りし所以は、天意か人為かはいざ知らず、一|波動いて
万波動き、不可思議の事の重畳連続して、其の狂濤は四年の間の天地を震撼し、其の余瀾....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
大服従のあと大自由に向ってあこがれた。彼が故国の情人に寄する手紙は、其心中の千波
万波を漲らして、一回は一回より激烈なるものとなった。彼はイブセンを読む可く彼女に....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
て、浪子が坐したる岩も砕けよとうちつけつ。渺々たる相洋は一|分時ならずして千波|
万波鼎のごとく沸きぬ。 雨と散るしぶきを避けんともせず、浪子は一心に水の面をな....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ことになる。犠牲――。それも、知られないほど、美しい) 夜が明けかかり、砂丘の
万波にようやく影が刻まれてゆく。空には、獅子座が頭をさげて西の空へ下りかけ、やが....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
体方面で常に不増不減のところを指します。因果差別とは、物事の表面の現れ方で、一波
万波を呼び、善悪相闘い、目まぐるしい凹凸のある方面を指します。 イギリスの家庭....
「三国志」より 著者:吉川英治
、ようやくやんだ。 何分この夜の激戦は、双方ともなんの作戦も統御もなく、一波が
万波をよび、混乱が混乱を招いて、闇夜に入り乱れての乱軍だったので、夜が明けてみる....
「三国志」より 著者:吉川英治
の計=であった。 一体、わが大陸は広すぎる。故に、常にどこかで騒乱があり、一波
万波をよび、全土の禍いとなる。 これを統一するは容易でない。いわんや、今日にお....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
く。今日のことも、この俊基から起った騒ぎだ。これを見ても、人の世のことは、一波が
万波。誰へどんな禍いがおよんで行くやら分らぬものだな」 「そこまで、因果のおよぶ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ろそかだったのである。勿論その結果は構造の上にも現われていて、以前はいわゆる一波
万波で、ちょうど子どもがふざけ始めると、止めどもなく昂奮して行くのとよく似ていた....