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「万灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
バルザックの寝巻姿」より 著者:吉行エイスケ
往左往していました。妾達の小屋はセエヌ左岸のアルマの橋を渡ったところに、日本画の万灯に飾られて、富士山や田園の書割にかこまれて、賑かにメリンスの友禅の魅力を場末....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
街へ担ぎ込むのとが、一風変ったおかしみがある。 凡そ江戸ッ児として、大若小若の万灯、樽天王を見て気勢わぬものは一人もなく、ワッショイ! ワッショイ! ワッショ....
雨の回想」より 著者:若杉鳥子
騒ぐ声が、波のようにきこえて来た。向こうの藁葺屋根の暗い軒端に、祭礼と書いた赤い万灯が立て掛けてあって、それが雨に濡れて字が滲み、ぽたぽたと赤い雫を落としていた....
夜の靴」より 著者:横光利一
一月――日 余目から最上川に添って新庄まで行く。最上川の紅葉はつきる所がない。万灯の列の中を過ぎ行くように明るい。傍に南鮮から引き上げて来たばかりの三人の婦人....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
中談笑している淫教のメッカ。 限りない狂想と快楽の猟場。 夜とともに眼ざめる万灯の巷。 眠らずに夢みる近代高速度の妄夢。 弗と磅と円と馬哥と常識と徳律を....
生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
へ飛び去ってしまった。私は妙に訳の分らぬ自分自身を見た。そしてその時、堯の姿が、万灯を持って飛びはねてる堯の姿が、はっきり私の頭に映じた。「よくなる、よくなる。....
寄席行灯」より 著者:正岡容
し時) 口上 薫風五月夏祭、神田祭を今ここに、寄席へうつして短夜を、花万灯や樽神輿、さては揃いのだんだら浴衣、神器所《みきしょ》の灯火眩ゆくも、いや眩....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
時、英船仏山号に移りてカントンに向かう。ホンコンの夜景は海上より一見するに、全市万灯中にうずめらるるの趣あり。山媚水明に加うるに、この夜景をもってし、大いに吟情....