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万病
「万病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
方へ、半町ばかり歩いて来ると、右側に一軒洗湯があって、大きく桃の実を描いた上に、
万病根治桃葉湯と唐めかした、ペンキ塗りの看板が出ています。お敏が湯に行くのを口実....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
かりで、斜めに酒井の顔を見込むと、 「たかだか風邪のこじれです。」 「その風邪が
万病の原じゃ、と誰でも申すことでごわりまするが、事実でな。何分御注意なさらんとな....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
それを拝ませてくれという者が多くなると、彼はまた宣言した。 「尊い御仏を拝むと、
万病が本復する」 その計略成就して、数百里のあいだの老若男女がみな集まった。そ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
後近所の人達にむかって、あの病人に人参をのませて何になる。いくら人参だと云っても
万病に効のあるというものではない。利かない薬をあてがうのは、見す/\病家に無駄な....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
いのか?」 「へい、日本ではないそうで」 「で、どんな効能があるな?」 「へい、
万病に効きますそうで。そうしてそいつを水へ入れると、ポンと天井へ飛び上がりますそ....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
はその連れで、四五日前から逗留している保久呂湯のただ一組の客であった。保久呂湯は
万病にきくと云われているが、特にキチガイにきくという古来からの伝えがあった。この....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
弟子は○○式温灸の来歴を書いた書物をとりだして、 「この先生の温灸にかゝれば、
万病が治るよ。肝臓でござれ、ミズムシでござれ、肺病なんか、特に三日から一週間で治....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
専門医で、こういう経験をお持ちの方はいないものかナ。 この鼻汁は、私にとっては
万病の原因である。なぜなら、酒がのめなくなると、睡眠がとれなくなり、自然に精神統....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ていたが、私の背中を散々探ったあげく、 「アンタの脊椎は右に軽く曲っとる。これが
万病の元だから、これを真ッ直にするようにしなければいけない」 モットモらしくそ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
得した。一念開悟、生命の活法を獲受して、以来、その法をもって、遍く諸人に施して、
万病を治するに一点の過誤がない。世には、諸仏、開祖の夢想の灸と称うる療術の輩は多....
「迷信解」より 著者:井上円了
さねばならぬ。神水そのものにつきてはかれこれ論ずるに及ばざれども、一神水をもって
万病に効験ありと言いふらし、またこれを信ずるに至りては、大いに害ありと思う。もと....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の名称をもって、一種の奇法を唱うるものあり。その法、婦人の発明せるところにして、
万病を医するに、従来の医方と全く異なりたる方法を用うという。政教子曰く、これ、わ....
「金の魚」より 著者:小川未明
でいました。 その町の中に、赤い旗が、長いさおの先にひらめいています。それは、
万病を治す不思議な温泉のわき出るところでありました。 その温泉へいって入って、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
自ずと退いて淡々如々たる位置を守らしめるだけであります。もし一方に偏して、これを
万病薬のように固執するならば、腫物が癒ってなお膏薬を貼っているようなものでありま....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
肉でござい。何々ピン以上の滋養強壮剤、陰萎、腎虚の大妙薬、物はためし、効能霊験、
万病の持薬、このごろ流行の若返り法などとは論外、ええ、膃肭獣の腎蔵――。」 波....