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万端
「万端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
あ》さんも、まんじりとさえなさらないんだ。もっともお島婆さんの方は、追善心に葬式
万端、僕がとりしきってやって来たがね。それもこれも阿母さんの御世話になっていない....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
地の名物である。名物と云えば、も一ツその早瀬塾の若いもので、これが煮焼、拭掃除、
万端世話をするのであるが、通例なら学僕と云う処、粋な兄哥で、鼻唄を唱えばと云って....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
南へ二丁ほど先、横川橋は四丁目十六番地に所在致しまする油倉庫にござりまする。原因
万端取調べ中でござりまするが後刻申し奉ります。へえ、お静かに、お静かに……」 「....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
機約五十機、南方より本土へ近接中」と伝えた。いよいよ敵機動部隊来ると、はね起きて
万端を指図す。敵機はすぐには帝都へ来らず、主として房総方面の飛行部隊や軍事施設を....
「地球盗難」より 著者:海野十三
反であったけれど、佐々記者はそんなこととは知らなかったのである。 盗聴の用意は
万端できあがった。 午前十一時という時刻になると、学士は受信機のスイッチをひね....
「火星探険」より 著者:海野十三
試運転も地球人と火星人の協力でうまく行った。そして一ヶ月後に、地球帰還の用意
万端は成り、いよいよ“太陽の子”号は、はなばなしく初航空の旅についた。地上からは....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
土奪還を企てようとし、そのときに役立つようにと、本土の外の重要地点において用意|
万端を整えておいたというわけだ。今われわれの関係している暗号の鍵というのも、その....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
う。この寝室を貸してあげるから、ゆっくりひと寝入りしなさい。その間に、われわれは
万端の用意を整えることにするから」 「はあ、大先生、お構い下さいますな。どうぞ大....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
たしなみ骨董を捻り、俳諧を友として、内の控えの、千束の寮にかくれ住んだ。……小遣
万端いずれも本家持の処、小判小粒で仕送るほどの身上でない。……両親がまだ達者で、....
「作画について」より 著者:上村松園
が、あとになって役立ったのでした。 今ならば美容院で、嫁入り衣裳の着つけその他
万端は整うのですが、当時は親類の者が集まってそれをしたものです。 私はいろいろ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の掛声に路之助|扮した処の京の芸妓が、襟裏のあかいがやや露呈なばかり、髪容着つけ
万端。無論友染の緋桜縮緬。思いなしか、顔のこしらえまで、――傍にならんだのとそっ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
か何かの病気でドコかの病院に入院して終に死んでしまった病院費用から死後の始末まで
万端皆沼南が世話をしてやったのだそうだ。 私が沼南と心易くなったはその後であっ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
は大酒のために身を損いて、その後病死したりしかば、一族同姓の得三といえるが、家事
万端の後見せり。 叔母には下枝、藤とて美しき二人の娘あり。我とは従兄妹同士にて....
「西航日録」より 著者:井上円了
ところとなり、いささか感慨にたえず。よって、また詩をもって懐を述ぶ。 一夕枕頭思
万端、苦眠不是客身単、山河所過皆亡国、志士何勝唇歯寒。 (今夜のまくらもとにあら....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に懸かる。その光は月球の下縁にあり。 望断家郷路渺漫、太平洋上晩凭認、新月一鉤思
万端。 (家郷への路ははるかに遠くその想いを断ち、太平洋上に日暮れててすりにもた....