万般[語句情報] »
万般
「万般〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万般の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
ここに於《おい》てかこの不可思議なる天地も一向不可思議でなくなる。生も死も、宇宙
万般の現象も尋常茶番となって了う。哲学で候《そうろ》うの科学で御座るのと言って、....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
んな建物は家相には無い。折角の瑞象をぶち壊している。一体どうしたというのだろう」
万般が法則に叶っていて、それ一つだけが破格だけに、彼には不思議でならなかった。 ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
にある。そこは東京の気象台へ宛てて日毎の報告を造る場所に過ぎないと言うけれども、
万般の設備は始めての私にはめずらしく思われた。雲形や気温の表を製作しつつ日を送る....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
留守居役で、それを言わないものはない。もはや幕府方もさんざんに見える。一橋慶喜は
万般後見のことでもあるから、長州征伐のことなぞはことごとく慶喜へ一任して、すみや....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
成る先鋒隊からは三日ずつおくれて木曾街道を進んで来るはずであった。馬籠宿はすでに
万般の手はずもととのった。というのは、全軍の通行に昼食の用意をすればそれでよかっ....
「もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
がにキ印でもできないし、さて腕力でおどしつけて家来にしたつもりでいたものの、生活
万般にわたって家来の方がはるかに高くて豊かなことが分ってくるにしたがってさすがの....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
とにだけセンサクすることで、反面他のことにはてんでセンサクを怠る意味である。人生
万般に万べんなくセンサクするようなコリ屋はないものだ。図抜けて一事にセンサクし、....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
たのである。 文六さんがゴルフに於て厳に我流をいましめたのは、あるいは私の人生
万般に於てこの傾向ありと見たせいかも知れない。ともかく水ムシに於てたしかにそうで....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
とに精通しておられ、自ら絵画をも描かれた位でありますから、建築内部の設計装飾等の
万般について計画をしておられまして、各種にわたった技術家諸職工等を招きそれらの考....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
った黄塔君は、重荷を卸したような顔をして余に言った。それから入院費用の事やその他
万般に就いて日本新聞社から依頼されていた事を黄塔君はすべて余に一任した。余は病床....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
よる。しかして、商業の全権はドイツ人に占有せられんとする勢いなるも、婦人の衣服や
万般の装飾品はフランスに仰ぐ。概して南米はフランスを崇拝する風あり。これに反して....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
もすまいし痛みも去るまじ、じっとしていよ身体を使うな、仔細はなけれど治癒るまでは
万般要慎第一と云われたお医者様の言葉さえあるに、無理|圧しして感応寺に行かるる心....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
うになってくる。それに根本の切紙が十八通という点も、東常縁のときに決したし、形式
万般そのとき決したといっても、秘事のことは証拠がないので断定は出来かねるのが実情....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
らずに、直ちに現実上、生活上のこととして、その長所を採択なされました。御摂政中の
万般の施設、そのいずれとして、この御見解より流出せないものはありません。そして、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
背に殺到せんとしたのである。 今日でもなお民族性が会戦指揮方針のみならず軍事の
万般にわたり相当の影響を与えつつある事を見るのである。 将帥の性格も同じ意味に....