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万葉
「万葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
はっきりとその時の彼の顔を覚えている。彼は目を細めるようにし、突然僕も忘れていた
万葉集《まんようしゅう》の歌をうたい出した。
「世の中をうしとやさしと思えども飛....
「少年」より 著者:芥川竜之介
に碇《いかり》おろしいかなる人かもの思わざらん」と歌った。保吉は勿論恋も知らず、
万葉集の歌などと云うものはなおさら一つも知らなかった。が、日の光りに煙《けむ》っ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
ばりが無くなって、考えは先から先へ進む。 超世的詩人をもって深く自ら任じ、常に
万葉集を講じて、日本民族の思想感情における、正しき伝統を解得し継承し、よってもっ....
「河口湖」より 著者:伊藤左千夫
。黄色い雲の一端に紅をそそいだようである。 松はとうていこの世のものではない。
万葉集に玉松という形容語があるが、真に玉松である。幹の赤い色は、てらてら光るので....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
、猿飛佐助、十八歳の大晦日より二十四歳の秋まで、鳥居峠に籠っていた凡そ六年の間、
万葉はもとより、古今、後撰、拾遺の三代集に、後拾遺、金葉、詞花、千載、新古今の五....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、美術をどうのと、鼻の尖で議論をして、舌で世間を嘗めやがる。爪垢で楽譜を汚して、
万葉、古今を、あの臭い息で笛で吹くんだ。生命知らずが、誰にも解りこないから、歌を....
「水の女」より 著者:折口信夫
なったからである。 わが岡の※に言ひて降らせたる、雪のくだけし、そこに散りけむ(
万葉巻二) 天武の夫人、藤原浦の女神となった理由も、やや明るくなる。 私は古....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
一
万葉びと――琉球人 古代の歴史は、事実の記憶から編み出されたものではない。神人....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
、源太はいない。鉦や太鼓で探しても源太は寥々として虚しい。 いつてみれば源太は
万葉調で四郎は新古今調だ。 四郎型が二枚目にしたてられて主人公となる世界におい....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
理解せられず、したがつて国境を越えない場合がある。 たとえば芭蕉の俳句である。
万葉の歌である。これらは民族の芸術としては世界に誇つていいものであるが国際性はな....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
すがら、ふさぎの虫のかかって来るのを、却けかねて居た。一段落だ。はなやかであった
万葉復興の時勢が、ここに来て向きを換えるのではないか。赤彦の死は、次の気運の促し....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
伴黒主が、とうてい小町には敵わないと思ったものですから、腹黒の黒主が、小町の歌が
万葉集のを剽窃したものだと称して、かねて歌集の中へ小町の歌を書きこんでおき、証拠....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
茂るらむ というのですが、腹の黒主はそれをこっそり写しとって家に帰り、その歌を
万葉集の草紙の中へ読人不知として書き加え、何食わぬ顔をして翌日清涼殿の御歌合せの....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
のあり方がよく表われているのである。 さきに和歌の語のはじめてあらわれたのは『
万葉集』だといったが、その和歌の多くは他人の歌に対して、こちらからも歌で応和返答....
「民族の感歎」より 著者:折口信夫
は、前人には一人もいなかったと言うことが言いたいのである。斎藤さんが、最尊敬する
万葉人には、ややそうした風も見えるが、これはただ音調のみの世界を描き得たものがあ....