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万言
「万言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玩具」より 著者:太宰治
言いだしたら最後、あとからあとから、まだまだと前言を追いかけていって、とうとう千
万言の註釈。そうして跡にのこるものは、頭痛と発熱と、ああ莫迦《ばか》なことを言っ....
「人間失格」より 著者:太宰治
、自分には、つねに、馬耳東風なのでありました。 侘びしい。 自分には、女の千
万言の身の上噺よりも、その一言の呟《つぶや》きのほうに、共感をそそられるに違いな....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
胸に貫いてその場に斃《たお》れた。 この至誠殉法の一語は、民会に諭《さと》す百
万言よりも彼らの叛意を翻すに殊効《しゅこう》があったろうと思う。 ツリヤ人の立....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
は瞳を同じところにすえて、灰色がかった彼女の汚ない顔を眺めていた。その女の叫ぶ百
万言もみんな彼には判《わか》っていた。だから少しも聞いていなかった。過ぎ去ったど....
「ニュース映画と新聞記事」より 著者:寺田寅彦
試みにたったひとこまの皮膜に写った形像を精細に言葉で記載しようとしてもおそらく千
万言を費やしてもなおすべてを尽くすことは不可能であろう。写真影像は現象の記載では....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
、どうもありがとう」 校長の口からこういう低い声がもれた。実際校長の心持ちは千
万言を費やすよりもありがとうの一語につきているのであった、かれはいま九百の青少年....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
つまり之は観念論や理想主義では全く説明出来なかった或るものなのだ。彼等は精々、百
万言を費して、そういう観念が必要であり、そういう観念が成立するということを、弁明....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
せぬ。御|推量《すいりょう》あってひとこと栄三郎どのを私かたへ――」
「いや。百
万言をついやしても同じこと。彼のごとき不所存者を差しあげるなど思いもよりませぬ」....
「教育映画について」より 著者:寺田寅彦
のである。云うまでもなく、朝顔を見たことのないエスキモー土人に朝顔を説明するに百
万言を費やすよりも写真か映画で一分間を費やした方が早分りである。一と口に云えば映....
「柳原燁子(白蓮)」より 著者:長谷川時雨
気にかけたことも御座いません。 私信の一部を公にしては悪いが、わたしの筆に幾
万言を費《ついや》して現わそうとするよりも、この書簡の断片の方がどれだけ雄弁に語....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
世界に飛行して、再び活動の端を開く、五尺の肉体何の惜しからむや」 と、彼は滔々
万言、聴衆に大なる慰安を与えようとした、けれどもこの提案は、何人も歓迎しなかった....
「秘密」より 著者:平林初之輔
かいあっているようなものだ。彼女は已むを得ない事情のために私を裏切ったことを、千
万言にもまさる雄弁な美しい涙によって私に告白して、許しを乞《こ》うているのだ。し....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
坂の私邸に仰いで団十郎一座の劇を御覧に供したのは劇を賤視する従来の陋見を破って千
万言の論文よりも芸術の位置を高める数倍の効果があった。井侯の薨去当時、井侯の逸聞....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
す。 詩賢避。 (詩賢の人は疫病を避けてこの片田舎に臥し、ひとたびの夢むすびて千
万言の書をなす。その遺風を慕ってこの古屋をたずねると、老婆は私のために民敦につい....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
を愛撫した。彼女は特に、P・Sの書方が極めてうまく、僅か二、三行のP・S中に、千
万言の思いを巧みに託した。それ故、俺はしまいには本文よりもまっさきに、追伸を読む....