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万里
「万里〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万里の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
ちょうど今|午睡《ごすい》から覚めたダアワは僕を散歩につれ出そうとしている。では
万里《ばんり》の海彼《かいひ》にいる君の幸福を祈ると共に、一まずこの手紙も終るこ....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。
しかし地獄と極楽との間は、何
万里となくございますから、いくら焦《あせ》って見た所で、容易に上へは出られません....
「少年」より 著者:芥川竜之介
保吉《やすきち》の海を知ったのは五歳か六歳の頃である。もっとも海とは云うものの、
万里《ばんり》の大洋を知ったのではない。ただ大森《おおもり》の海岸に狭苦《せまく....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
は当日の午後八時前後、黄塵に煙った月明りの中に帽子《ぼうし》をかぶらぬ男が一人、
万里《ばんり》の長城《ちょうじょう》を見るのに名高い八達嶺下《はったつれいか》の....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
も三年も妻子に離れておって平気なことである。そういえば君は、「何が平気なもんか、
万里異境にある旅情のさびしさは君にはわからぬ」などいうだろうけれど、僕から見れば....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
う。 雲は低く灰汁を漲らして、蒼穹の奥、黒く流るる処、げに直顕せる飛行機の、一
万里の荒海、八千里の曠野の五月闇を、一閃し、掠め去って、飛ぶに似て、似ぬものよ。....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
、雪の山の頂に響いて、その間々に、 「これは三保の松原に、伯良と申す漁夫にて候。
万里の好山に雲|忽ちに起り、一楼の明月に雨始めて晴れたり……」 と謡うのが、遠....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。それは幼稚不完全なる地上生活に於てすら然りである。二人の兄弟が、相互の間を幾千
万里の海洋によりて隔てられ、幾年幾十年に亘りて、ただの一度も会見の機会なく、しか....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
居がやれるのか?』 『マア聞き給え。その青い壁が何処まで続いているのか解らない。
万里の長城を二重にして、青く塗った様なもんだね』 『何処で芝居を演るんだ?』 『....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
んで来た。 「よく、いすいだかい。」 「綺麗なお銚子。」 色絵の萩の薄彩色、今
万里が露に濡れている。 「妻の婚礼道具ですがね、里の父が飲酒家だからですかな。僕....
「迷信解」より 著者:井上円了
神の由来につきては、一層ばからしき神話が伝えられておる。すなわち、「これより南三
万里に国あり。夜叉国という。その主を巨旦という。悪鬼神なり。これを金神という。常....
「砧」より 著者:上村松園
らえていた折、故国にあるその妻が寒暑につけても夫の身を案じつつ打った砧の音が遠く
万里を隔てた夫の枕上に響いたという故事を話して聞かす。 この話を聞いて妻はそれ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
響を一国独立の上に及ぼさんとするの勢いあり。政教子ここにおいて、奮然一起して遠洋
万里の途に上り、欧米政教の大勢を一見せんとするに至りしなり。 政教子曰く、山高....
「西航日録」より 著者:井上円了
作二首あり。 留別 力学多年在帝都、始知碌碌読書愚、欲扶後進開文運、再上航西
万里途。 (学問の修得につとめて多くの歳月を東京ですごし、はじめて役にもたたぬ読....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。いやしくもこの気慨あるものは、自国を遊園とし、海外を工場とし、よろしく遠く天涯
万里に向かって雄飛活躍せざるべからず。国運発展の道も、けだしここにあらんと信ず。....