万里の長城[語句情報] » 万里の長城

「万里の長城〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万里の長城の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
を遮《さえぎ》って長く続いているようである。余は高いこの影を眺めて、いつの間にか万里の長城に似た古迹《こせき》の傍《そば》でも通るんだろうぐらいの空想を逞《たく....
」より 著者:夏目漱石
ら早く帰れったら、私《わたし》もそう思うって帰って行きました。どうしても、ありゃ万里の長城の向側《むこうがわ》にいるべき人物ですよ。そうしてゴビの沙漠《さばく》....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
は、夢のように嬉しかった。 「裏門は何処だろう?」 尼寺の垣根は、まるで小型の万里の長城のように、どこまでも続いていた。どこが裏門やら探すのに骨が折れたが、と....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
眼を丸くしたのは、支那人だけじゃなかった。兵士達自身が、綿々と連続せる鉄条網と、万里の長城のような土塁を見かえして、われながら、自分の作業の結果にびっくりした。....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
衆生は、皆賽の河原の子供である。子供は皆小石を積んで日を過す。ピラミッドを積み、万里の長城を築くのがエライでも無い。村の卯之吉が小麦|蒔くのがツマラヌでも無い。....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
にこの橋を渡る。西のほうには千代田城の雄壮な眺め、物見の高殿、東の岸には、まるで万里の長城の酒庫の白壁がならび、そのむこうは眼もはるかに人家の海――。 日本橋....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
長城を築く――毛人らが何故それを恐れるかというと、かれらはその昔、秦の始皇帝が万里の長城を築いたときに駆り出された役夫である。かれらはその工事の苦役に堪えかね....
氷河期の怪人」より 著者:海野十三
、なるべくとばない方がよかった。だから針路をインドの北どなりにとり、まるで天然の万里の長城のようなヒマラヤ山脈を越え、チベットやネパールやブータンの国々の間をぬ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
比較になりませんなあ。二十里というものが、人工で出来た壁のように、早い話が支那の万里の長城みたいに、ずうっと並んで連互《れんこう》しているんですから素敵なもので....
擬体」より 著者:豊島与志雄
木は顔を赤らめ、そして慌てた。 「いえ、あれは、あの時だけの思い附きで、例えば、万里の長城にしても同じことです。」 「なに、万里の長城がどうしたって……。」 「....
火星の芝居」より 著者:石川啄木
居がやれるのか?』 『マア聞き給え。その青い壁が何処まで続いているのか解らない。万里の長城を二重にして、青く塗った様なもんだね』 『何処で芝居を演るんだ?』 『....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
らない。 ついに大黄河を征服する設備が完成した時には、それは雄大なる設計に於て万里の長城の比ではない。 金閣寺の焼亡などというものは、美としても、歴史記念物....
円太郎馬車」より 著者:正岡容
桝を十個ずつ、ズラリと彼は四方へ並べてみた。たちまち一升桝十個ずつで取り囲まれた万里の長城みたいな正四角形ができあがった、続いて上へも崩れないように一升桝を十個....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に付くでしょう。しかしロシア政府がその願望通りこのチベット国を踏台として、天然の万里の長城ヒマラヤ山上から、英領インドに臨むというような大望を成就しようというに....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
がきの二 六月十三日、牧田氏、都留氏同行、東水の尾へ車を走らせる。 なるほど万里の長城のごとくに蜿蜒として、見事な混凝土の溝渠が走っている。彼方の丘に見え隠....