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万障
「万障〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
万障の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。千葉のいなかよりたんまりとやまぶき色をご用意のおだんな衆が三人ほど参り候まま、
万障お繰り合わせご入来《じゅらい》くだされたく、みなみな首長くしてお待ちいたしお....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
く》せしむるの微意にほかならぬ。 悲劇は喜劇より偉大である。これを説明して死は
万障を封ずるが故に偉大だと云うものがある。取り返しがつかぬ運命の底に陥《おちい》....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
関に投げ込まれた。 拝啓。春雪|霏々、このゆうべに一会なかるべけんやと存じ候。
万障を排して、本日午後五時頃より御参会くだされ度、ほかにも五、六名の同席者あるべ....
「不審庵」より 著者:太宰治
生日頃|昵懇の若き朋友二、三人を招待仕り、ささやかなる茶会を開催致したく、貴殿も
万障繰合せ御出席然るべく無理にもおすすめ申上候。流水濁らず、奔湍腐らず、御心境日....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
到頭粕谷の地所にきめて、手金を渡した。
手金を渡すと、今度は彼があせり出した。
万障一排して二月二十七日を都落の日と定め、其前日二十六日に、彼等夫婦は若い娘を二....
「道標」より 著者:宮本百合子
ー》だっていうのに、きかなくちゃわるいだろうと思ってさ。すすめた義理もあってね。
万障くりあわせ」
答えたのは、背の高い頭にベレーをかぶった川瀬勇だった。
も....
「能ぎらい/能好き/能という名前」より 著者:夢野久作
いだろうと思いながら、誰にでも謡って聞かせたくなる。処構わず舞って見せたくなる。
万障繰り合わせて能を見に行きたくなる。 今まで見た実例によると、能ぎらいの度が....
「源氏物語」より 著者:紫式部
は常に持って、御辞退ができずに参列したのであった。そのほかの左右二大臣、高官らも
万障を排し病気もしいて忍ぶまでにして座に加わったものである。親王様はお八方来てお....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
えのだ。まあ、貴様にしたところで生きていてえつごうもいろいろあろうが、ここは一つ
万障《ばんしょう》繰《く》り合わせて俺の手にかかってくれ」
「笑わせてはいかん。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
太、清松、竹造、トク及び自分の七名であるが、遠隔の地の人には旅費を支弁するから、
万障くり合せて御参会願うという文面であった。犯人探しの当日はすでに明日に迫ってい....
「頸飾り」より 著者:辻潤
る一月十八日月曜夕刻より官宅において舞踏大会相催し候ついては貴殿並びに御令閨にも
万障御繰り合わせの上御出席の栄を得度右および御案内候也」 宛名は二人の名前にな....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ONCE"(すぐに来い)と云うだけのことだよ、いくら何でもこの招待状では、彼は
万障を繰合せても来ると思ったのさ。何しろこうしたものを書ける者は、夫人以外には無....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
鯨の肉の素晴らしいのをご馳走しようじゃないか、というような訳になった。 よし、
万障繰り合わす。 さて、このほどいよいよ金華山沖へ漕ぎ出すことになった。仙台か....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
恵まれていた。林家正蔵のごとき、やまとのためにのおはな会《よみきり》ならそれこそ
万障繰り合わせても出向いていったかの観がある。現に病歿のすぐ以前にも、むつみと協....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
るのを禁じ得なかった。 あとがきの一 青年の死後十日、約束により、
万障放棄して六月九日朝九時、特急つばめで東京駅を発つ。妻の注意によって、途中京都....