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「万頃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

万頃の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薤露行」より 著者:夏目漱石
き交《か》う人に気を配る辛《つ》らさはあらず。何者か因果の波を一たび起してより、万頃《ばんけい》の乱れは永劫《えいごう》を極めて尽きざるを、渦|捲《ま》く中に頭....
石狩川」より 著者:本庄陸男
そして、日没の太陽は、朱を塗りつけるように、どろんと輝いた。遠い山々の峰が赤く、万頃《ばんけい》の波頭が赤く、船は半面を燃えるように赤らめ、人々の顔は羞恥《しゅ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、北に愛宕の霊山半空に聳えつゝ、南方|背振、雷山、浮岳の諸名山と雲烟を連ねたり。万頃の豊田|眼路はるかにして児孫万代を養ふに足る可く、室見川の清流又杯を泛ぶるに....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
に千間土堤という堤へ出たが,この堤は夏|刀根川の水が溢れ出る時、それをくい止めて万頃の田圃の防ぎとなり、幾千軒の農家の命と頼む堤であるから、随分大きなものである....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、わが所乗の汽船なり。その中に一点の白影の波間に動くを認む。これ海鵝なり。 蒼波万頃浩無吾船是一繊塵。 (青い波はひろびろとして果てしなくうねり、岸辺もない。海....