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丈余
「丈余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丈余の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》じい音で。
心持《こころもち》よほどの大蛇と思った、三尺、四尺、五尺四方、一
丈余、だんだんと草の動くのが広がって、傍《かたえ》の渓《たに》へ一文字にさっと靡....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
しく舞い上り、そしてその岬の彼方の沖合には、深谷氏の片足をもぎ取った奴であろう、
丈余に亙る暗灰色の大|鱶が、時々濡れた背中を鋭く光らしながら、凄じい飛沫を蹴立て....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
匂坂兄弟が真柄一人にやられているところに、本多平八郎忠勝馬をおどらせ馳せ来り、一
丈余りの鉄の棒をもって、真柄と決戦三十余合、北国一と聞えたる勇士と東国無双と称す....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
な衝突もなく、両軍互いに持久戦策をとり、大いに防禦工事を営んで居る。宗全は高さ七
丈余もある高楼を設けて、東軍を眼下に見下して得意になって居た。一方東軍では、和泉....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、何かのお符を書いてそれを焚くと、たちまちに符の使い五、六人、いずれも身のたけ一
丈余にして、黄巾をいただき、金甲を着け、彫り物のある戈をたずさえ、壇の下に突っ立....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
呼ばれることになったのである。 その山には毛人という者が棲んでいる。身のたけ一
丈余で、全身が毛につつまれているので、人呼んで毛人というのである。この毛人らは洞....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
一ノ俣に降る。大きなボーゲンを画いて木の間を縫いながら十分ばかりで降りた。雪は一
丈余もあろう。河はほとんど埋っている。針葉樹の下を通って行くとハラハラと雪が木か....
「雪魔」より 著者:海野十三
のはもっともだ。しかし一造さんは勇気がある。それはともかくあの奥深い青髪山まで、
丈余の雪を踏んで三日ごとに兄のため食物をはこぶ友の身の上を考えると、気の毒でなら....
「古狢」より 著者:泉鏡花
北陸道を負い通いて帰国した、と言伝えて、その負さりたもうた腹部の中窪みな、御丈、
丈余の地蔵尊を、古邸の門内に安置して、花筒に花、手水鉢に柄杓を備えたのを、お町が....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
い木戸に近く、八分出来という石の塚を視た。台石に特に意匠はない、つい通りの巌組一
丈余りの上に、誂えの枠を置いた。が、あの、くるくると糸を廻す棒は見えぬ。くり抜い....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ると、左手に樫や榛の大樹が欝蒼と繁茂している――その高台が劫楽寺だ。周囲は桜堤と
丈余の建仁寺垣に囲まれていて、本堂の裏手には、この寺の名を高からしめている薬師堂....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
び、何かの符を書いてそれを焼くと、たちまちに符の使い五、六人、いずれも身の丈け一
丈余にして、黄巾をいただき、金甲を着け、彫のある戈をたずさえ、壇の下に突っ立って....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
くる朝、源兵衛は谷のほとりへ行ってみると、黒ん坊の死骸は目の下にかかっていた。二
丈余りの下には松の大木が枝を突き出していた。死骸はあたかもその上に投げ落されたの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ごく少ない。
で私は林の中の広い道を三町ばかりまっすぐに進んで参りますと高さ二
丈余り周囲三町四面の石塀が立って居る。その石塀のまんなかに大門がある。その大門の....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
来たのは久振りに見る五大力である。艫の高い五大力の上には鉢巻きをした船頭が一人一
丈余りの櫓を押していた。それからお上さんらしい女が一人御亭主に負けずに棹を差して....