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「丈六〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丈六の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ロマネスク」より 著者:太宰治
た。そのころ三島の宿に、鹿間屋と肩を並べてともにともに酒つくりを競っていた陣州屋丈六という金持ちがいた。ここの酒はいくぶん舌ったるく、色あいが濃厚であった。丈六....
散華」より 著者:太宰治
」 私は噴き出した。とんでもない人だと思った。戸石君は剣道三段で、そうして身の丈六尺に近い人である。私は、戸石君の大きすぎる図体に、ひそかに同情していたのであ....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
、すこぶるしっかり者で、謹厳そのもののような老看守だ。歳は六十に近く、名前を風間丈六といい、娘のミドリと二人暮しで、そのどことなく古武士のおもかげをさえもった謹....
自叙伝」より 著者:大杉栄
番の後見のもとに、町道場を開いて、門弟五百人、内弟子百人あまりも養っていた。身の丈六尺四寸、目方四十貫という大男で、三十三で死んだのだが、その時でも三十五貫あま....
巌流島」より 著者:直木三十五
共に小次郎の脇腹の骨が折れて、口と鼻とから鮮血が流れ出た。 武蔵という人は身の丈六尺、力が強かった。ある人、差物竿にするから竹を選んでくれというと、武蔵竹を右....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いいじゃないの。でも、それでやりにくければ寸法をきめて上げましょう、塚の高さは一丈六尺八寸となさい」 「一丈六尺八寸でございますか」 「ええ、一丈六尺八寸の高さ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
若さこそとならば、いまに見よ、われ癒えなば、牡丹の作物蔽い囲む石橋の上に立ちて、丈六尺なるぞ、得意の赤頭ふって見せむ。さらば牛若を思いすてて、わが良き児とやなら....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
で、その道には優れた腕をもっておられ、五百羅漢製作においても多大の精進を積まれ一丈六尺の釈迦牟尼仏の坐像、八尺の文殊、普賢の坐像、それから脇士の阿難迦葉の八尺の....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
々たる小断欠を接ぎあわせたわずか方三尺たらずの小裂ゆえ一見すぐさまこれをもって一丈六尺四方の原形を想像することは難いけれども、しずかにこれへ眸をおくと華麗善美を....
白い花」より 著者:種田山頭火
か。野の花のよそおいは野の花のよそおいとして鑑賞せよ。 一茎草を拈《ねん》じて丈六の仏に化することもわるくないが、私は草の葉の一葉で足りる。足りるところに、私....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
に飛んで、真面に銅像を射たのであった。 しばらくして、男女は、台石の巌ともに二丈六尺と称するその大銅像の下を、一寸ぐらいに歩行いていた。あわれに小さい。が、松....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
れがために揮毫を試むるを余儀なくせしめたものと見える。 基衡が毛越寺を営むや、丈六薬師仏ならびに十二神将の彫刻を、当時の京都の仏師雲慶(運慶とは別人、かつて『....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ました。で、鍔のようなものがあって、それから金襴あるいはシナの五色の上等縮緬が一丈六尺程|垂下って居る。その全体の長さは二丈五尺程ある。それを強壮な壮士坊主がよ....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
はその上野が中心で名を広め、用いる紙は多く「名張半紙」であります。名張といっても丈六や柏原がその産地として知られます。しかし伊賀の名を負うもので最も有名なのは「....
私本太平記」より 著者:吉川英治
塁の黒けむりをみて、 「これまでか」 と、自身、打物取って、敵中へ駈け入った。丈六平や薬師堂の辺は、第二の防禦陣地だったが、そこもはや潰えている。寄手はもう勝....