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三つ指
「三つ指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三つ指の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
開《あ》いて、私より一つか二つ上位に見える痩せこけた紺飛白の書生さんが顔を出して
三つ指をついた。髪毛《かみのけ》をテカテカと二つに分けて大きな黒眼鏡をかけている....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
々《そそ》とした小女が、いま咲いた山ゆりででもあるかのように、つつましくもそこへ
三つ指をついていたものでしたから、口ではいろいろときいたふうなことをいうにはいい....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
てるのだ――わたくしを若しわたくしの望む程度まで表現して下さったなら、わたくしは
三つ指突いてあなた方にお叩頭します。あとは永くあなた方の実家をもあなた方の御子孫....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
萩乃は眼ざとく、眼のすみで意識しながら、たえてひさしい源三郎の前に、お屋敷育ちの
三つ指の挨拶。 「源三郎さま、おひさしぶりでございます。あなた様は、もうどうおな....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
。それが、すこし険のある表情にしているのかもしれなかった。 敷居《しきい》に、
三つ指をついていた。 重い髪を、ゆらりと上げかけて、 「あの、立花様から、お使....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、このまま雪之丞を去らせてしまわねばならぬ浪路の胸中であったろう――
老女が、
三つ指を突いているので、存分に別れることばさえ掛けられず、
「では、また折もあっ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
てすましている。それから、籐椅子に尻を据えて、勝手な気焔をあげていると、奥さんが
三つ指で挨拶に出て来られたのには、少からず恐縮した。 すると、向うの家の二階で....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なかなか宮本家の家風には合ったお嫁ね」と大笑いしたり。冗談のようだが実際ですね。
三つ指式であったら、私は自分が熊の仔にでもなったように工合わるくて迚ももちません....
「道標」より 著者:豊島与志雄
ねても、もう二度とは言われないそうですね。家の出入りには、家人の誰かが必ず玄関に
三つ指をついて送迎しなければならないそうですね。家人達と食卓を共にせず、別な室で....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ど》。妙なやつがやってきたと思って眺めていると、その男は数寄屋の濡縁に近い庭先へ
三つ指をつき、右手を口にあてて、えへん、えへんと二度ばかり軽く咳払いをした。 ....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
いる顔である。
ちょっと膝《ひざ》をついて背後《うしろ》をしめる。向き直って、
三つ指を突いた。お高である。お屋敷ふうなのだ。
「あの、お呼びなされましたか」
....
「雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
御嶽《おんたけ》。雪は次第次第に深くなった。もう人の足跡はない。兎の足あとらしい
三つ指ついたのが、かなたの谷へ、長く長く引いている。足の甲だけが雪に埋《うず》ま....
「猿の図」より 著者:三好十郎
つも着物を着て、マゲなどにゆって――いや、あれもよく似合っていられたからねえ――
三つ指をついてさ、全くの日本趣味の――忘れもしません、三芳君が二度目に、この、引....