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「三つ目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三つ目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生きている腸」より 著者:海野十三
。まちがいなしかね。本当に腸《はらわた》を用意しておいてくれたんだね。――南から三つ目の窓だったね。もしまちがっていると、僕は考えていることがあるんだぜ。そいつ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
りに充分気を配りながら、徐ろに奥の方へ這入っていった。 「一イ、二ウ、三イ。……三つ目の窓だったな」 窓の下に空気抜けの四角な穴があった。そこには頑丈な鉄の格....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
、ここから十五町ほどある道を市内電車で終点までゆき、そこから急行電車に乗りかえて三つ目のA駅で星尾は降り、小暗い田舎道を五丁ほど行った広い丘陵の蔭に彼の下宿があ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
姿で、その次は、未だに知られていない半葉を中心とする、死者の世界なんだ。それから三つ目が、既往の三度にわたる変死事件。そして最後が、ファウストの呪文を軸に発展し....
獄中記」より 著者:大杉栄
すると、食器口を開けて見ろと言うので、急いで開けて見ると、向う側のちょうど前から三つ目の食器口に眼鏡をかけた山口の顔が半分見える。 「やあ、来たな。堺さんはどう....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
眼鏡のピントをあわせた。―― 飛行島の第三甲板にある労働者アパートの、はしから三つ目の窓に、鈴なりの男女の肩越しに、頭に繃帯を巻いた東洋人の顔がこっちを見てい....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ゃ……」 言い掛けた時であった。この見越入道、ふと絶句で、大な樽の面を振って、三つ目を六つに晃々ときょろつかす。 幕の蔭と思う絵の裏で、誰とも知らず、静まっ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、極暑に、矢声を掛けて駆昇った事がある。…… 呼吸が切れ、目が眩むと、あたかも三つ目と想う段の継目の、わずかに身を容るるばかりの石の上へ仰ぎ倒れた。胸は上の段....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
声は、令夫人。こんな処へ御同行は、見た事、聞いた事もない、と呆れた、がまた吃驚。三つ目の俥の楫棒を上げた、幌に覗かれた島田の白い顔が…… ……あの、お京……い....
ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
事もある。しかしまたそうでなく妖怪は本質から妖怪となっているものもある。一つ目、三つ目、大入道、見越入道等は狸の化けたのだとされる場合が多いが、前記のあかなめ等....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
れに対して到底不可抗力のものである。 鬼神力が具体的に吾人の前に現顕する時は、三つ目小僧ともなり、大入道ともなり、一本脚傘の化物ともなる。世にいわゆる妖怪変化....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
床いちめんに、ガラスの破片がちらばっていた。 ケンプ博士は、まだ破られていない三つ目の窓に目をはしらせると、ピストルをぶっ放した。ガラスはたまに撃ちぬかれてひ....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
据えてある。フレンチの目を射たのは、何よりもこの黒い椅子であった。 さて一列の三つ目の椅子に腰を卸して、フレンチは一間の内を見廻した。その時また顫えが来そうに....
お化けとまちがえた話」より 著者:小川未明
ました。そして、びっくりしました。それは、いつものやさしい女房でなく、怖ろしい、三つ目の化けものが、箱の前にすわって仕事をしていたからです。 二郎は、家へ走り....
父の葬式」より 著者:葛西善蔵
火葬場の帰り、戸山ヶ原で私は打倒れそうになったが、今朝は気分もはっきりしていた。三つ目のN駅は妻の村であった。窓から顔を出してみると、プラットホームの乗客の間に....