三の丸[語句情報] » 三の丸

「三の丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三の丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
まりや」と口々に叫びながら、刀槍、弓矢をはじめ、鍬、鎌などをさえ手にして戦った。三の丸が落ちてから、城方の敗勢はもはやどうともすることができなかった。素肌の老幼....
自叙伝」より 著者:大杉栄
は握っていた櫛をそこへほうりつけて、一目散にまた逃げて帰った。 三番目の家は、三の丸という町のつき当りの、小学校のすぐそばであった。学校は改築されてすっかり変....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
入り、火を放ったと思うとさっと引上げた。引上げたと思うと更に梅ヶ坪城に向い二の丸三の丸まで打ち入って同じ様に火の手を挙げる。厳重に大高城を監視して居た、丸根、鷲....
島原の乱」より 著者:菊池寛
先鋒を争うのを重昌|諭して忠茂を先鋒と定めた。二十日の黎明、忠茂五千の兵をもって三の丸を攻撃した。家臣立花大蔵長槍を揮って城を攀じて、一番槍と叫びもあえず、弾丸....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
、次ぎの通りであった。 一、城中新古将士の罪を問わざるべし。 二、本丸を除き二、三の丸の濠を埋むべし。 三、淀君質となるを得ざるを以て、有楽|治長質子を出すべし....
花物語」より 著者:寺田寅彦
甲虫類のいちばんたくさんに棲んでいる城山の中をあちこちと長い日を暮らした。二の丸三の丸の草原には珍しい蝶やばったがおびただしい。少し茂みに入ると樹木の幹にさまざ....
天守物語」より 著者:泉鏡花
せん。私の申すことが、少しなりともお分りになりましたら、あのその筋道の分らない二三の丸、本丸、太閤丸、廓内、御家中の世間へなど、もうお帰りなさいますな。白銀、黄....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
、一方は通町に出で、一方は愛宕下から芝浦まで往った。この火に江戸城の本丸並びに二三の丸も焼けたので、将軍家綱は西の丸に避難した。この火には諸大名の邸宅五百軒、神....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
々なる役人となって、各々小具足を着けて真似事などをした。場所は藩にも奨励の際とて三の丸大書院を明渡してそこでさせた。私も小具足でその席に列し、命令通りの服役をし....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
頃は、厩橋城廓の崩潰が甚だしい最中で、殿様の朝矩は危険で居堪らなくなり、本丸から三の丸へ引っ越さねばならぬありさまであったという。 だが利根の激流は年々歳々、....
日和下駄」より 著者:永井荷風
ろうしょう》鬱々たる代官町《だいかんちょう》の通《とおり》をばやがて片側に二の丸三の丸の高い石垣と深い堀とを望みながら竹橋《たけばし》を渡って平川口《ひらかわぐ....
深川の唄」より 著者:永井荷風
最後の一人は、一時に車中の目を引いたほどの美人で、赤いてがらをかけた年は二十二、三の丸髷《まるまげ》である。オリブ色の吾妻《あずま》コオトの袂《たもと》のふりか....