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三世相
「三世相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三世相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
から見たり、竪から見たりしている。からだを拗《ね》じ向けたり、手を延ばして年寄が
三世相《さんぜそう》を見るようにしたり、または窓の方へむいて鼻の先まで持って来た....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
い道具に交ぜて、ばらばら古本がある中の、表紙の除れた、けばの立った、端摺の甚い、
三世相を開けて、燻ぼったカンテラの燈で見ている男は、これは、早瀬主税である。 ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
の毛繻子の今は炬燵掛と化けたのを叩いて、隠居は掻口説いた。この人の老後の楽みは、
三世相に基づいて、隣近所の農夫等が吉凶を卜うことであった。六三の呪禁と言って、身....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
の人相学などにも造詣のふかい易者に見てもらうのが長い習慣になっていた。支那出来の
三世相の珍本も支那の古典なぞと一緒に、その座右にあった。 「梢を叩き出してもかま....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
形が至ってにくさげなるより、方相を疫鬼と間違えたとみえ、安政またはその前に出た『
三世相大雑書』などに、官人が弓矢もて方相を逐う体を図したのをしばしばみた。只今拙....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
思えば苦しい仔細があってと察しては御前の心も大方は見えていじらしく、エヽ腹立しい
三世相、何の因果を誰が作って、花に蜘蛛の巣お前に七蔵の縁じゃやらと、天燈様まで憎....
「古狢」より 著者:泉鏡花
塔場の新墓に灯れていそうに見えるから、だと解く。――この、お町の形象学は、どうも
三世相の鼇頭にありそうで、承服しにくい。 それを、しかも松の枝に引掛けて、――....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、陰気な暗い処が潜んで、礼儀作法も、由緒因縁も、先祖の位牌も、色も恋も罪も報も、
三世相一冊と、今の蛇一疋ずつは、主になって隠れていそうな気がする処へ、蛇瓶の話を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
銀様は、前住者の器量を見抜くつもりで、書架の書を取って見ると、第一に手に触れた「
三世相」――部厚に於ては群を抜いているけれども、これがお銀様の軽蔑を買うには充分....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ろって、臍の上のほくろは、首を切られるか、切腹するかにきまったもんだ。ちゃんと、
三世相《さんぜそう》に出てらあ」
一人は、小声で
「どっちかの、御亭主だぜ。気....
「捨吉」より 著者:三好十郎
ボンの中で 足の皮膚がビリビリと痛む 俺が渡り越えたのは ヨミの川か 昔のぞいた
三世相かで見たことがある それともあれはダンテの神曲だつたか どつちでもよい 死....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ば、かごに酔うことなし。 以上は『秘事百撰』『人家必用』『旅行用心集』『大雑書
三世相』等の書中に見えたるものを掲ぐ。これみな、マジナイそのものに効験あるにあら....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
稽古を聴かされる。そのおかげで、わたしは七歳にして、もうお園六三の“誓いは二世と
三世相”や、小夜衣千太郎の“秋の蛙の声枯れて”などを無心に暗記するようになった。....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
て、その間から稲穂を引きしごいて、籾を落していたのである。江戸期も末になるまでの
三世相とか女大学とかの家庭用書の口絵には、幾らでもそういう農業の図が出ていて、実....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
たがってそこへ出る露店もしずかにつつましい感じのものばかりだった。いろは字引だの
三世相だのを並べた古本屋だの、煙草入の金具だの緒締だのをうる道具屋だの、いろ/\....