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三保の松原
「三保の松原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三保の松原の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
小野さんは隠袋《ポッケット》から煙草入を取り出す。闇《やみ》を照す月の色に富士と
三保の松原が細かに彫ってある。その松に緑の絵の具を使ったのは詩人の持物としては少....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
直きそこだし、まだ知りませんが、久能山だの、竜華寺だの、名所があって、清見寺も、
三保の松原も近いんですから、」 富士の山と申す、天までとどく山を御目にかけます....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
ける東海道の風光が、生れて始めて見るだけにひどく心を愉しませたらしい。清見寺から
三保の松原を眺めて、 諸人の立帰りつゝ見るとてや、関に向へる
三保の松原 と詠ん....
「縮図」より 著者:徳田秋声
けて、何時かの汽車に乗ってしまったの。」 「それで……。」 「それから別に……。
三保の松原とか、久能山だとか……あれ何ていうの樗牛という人のお墓のある処……龍華....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
から京城の鶏林朝報社長、林逞策。あれで巨万の富豪なんだよ。代議士|恋塚佐六郎……
三保の松原に宏大な別荘を構えている……アレだ。お次は大連の貿易商で満鉄の大株主|....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
伝いに雪の箱根を越えて、下れば春近い駿河の海。富士の姿に満月の襟元を思い浮かめ、
三保の松原に天女を抱き止めた伯竜の昔を羨み、駿府から岡部、藤枝を背後に、大井川の....
「『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
貴方の胸におくりたい 面白いことだと思う。むかし話に漁師伯龍とその妻となった
三保の松原の天女の物語があって、それを大正の時代に菊池寛が「羽衣」という短篇に書....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 幸いに晴れていて、富士も見えれば愛鷹《あしたか》も見える。伊豆の岬、
三保の松原、手に取るようでありますが、七兵衛は海道第一の景色にも頓着なく、例の早....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ーンと打つ鎚が、一面の湖の北の天なる、雪の山の頂に響いて、その間々に、 「これは
三保の松原に、伯良と申す漁夫にて候。万里の好山に雲|忽ちに起り、一楼の明月に雨始....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ったから意外に感じないわけにはゆきません。伊勢の古市の町と、駿河《するが》の国の
三保の松原とで篤《とく》と見参《げんざん》したこの男をここでまた見ようとは、たし....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
しもうという計画だった。未明に鉄舟寺を辞すると、まず竜華寺の日の出の富士を仰ぎ、
三保の松原で海気を吸い、清水駅から汽車で御殿場に出て、富士の裾野を山中|湖畔まで....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
らの昔から楽しんだところである。興津川の鮎と山女魚はいまさら説くまでもあるまい。
三保の松原が囲んだ清水港、ここには黒鯛と鱸と鰡といくらでも釣り人を楽しませてくれ....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
に見せたし、下界の人は山頂も均しく長閑《のどか》ならんと思うなるべし、彼《か》の
三保の松原に羽衣《はごろも》を落して飛行《ひぎょう》の術を失いし天人《てんにん》....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
り。わが昔時のカミシモは、この服装より起こりしならんとの説あり。また、わが昔話の
三保の松原の天の羽衣は、フィリピン人の服を見て想像をえがきたるものならんとの説あ....