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「三公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三公の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
内も暖いのを彼は拒むことができなかった。あれだけをおっかあに渡して、あれだけを卯三公にやって、あれだけであの本を買って……と、残るぞ。二晩は遊べるな。……と、待....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しら》嵐三左衛門でした。 「へへえね。ちっとのっぺりして間のびがしているが、嵐の三公なかなかいい男じゃござんせんかい。ちくしょうめ、おれに断わりもなく、江戸の娘....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
叩け、もそッと叩け」 「え?……」 驚いたのは掴み合っている馬子達でした。 「三公、ちょッと待ちな。変なことを言うお侍がいるから手を引きなよ。――ね、ちょッと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
中心に渦巻き始めた新興勢力の苗床にまで及んで行った。京都にある鷹司、近衛、三条の三公は落飾を迫られ、その他の公卿たちの関東反対の嫌疑のかかったものは皆謹慎を命ぜ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
して大坂から退いて行った。後には、上京のしたくにいそがしい英国、仏国、オランダの三公使だけが残った。 外人禁制の都、京都へ。このことが英公使パアクスをよろこば....
」より 著者:島崎藤村
。 この明るい二階へも、村の人や三吉の学校友達が押掛けて来た。以前は、「オイ、三公」なぞと忸々しく呼んだ旦那衆が、改まってやって来て、「小泉君」とか「三吉君」....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
せ給ひて諸侯を従へ、籍田《せきでん》に至つて、帝|耕《たがや》し給ふこと三たび、三公は五たび、諸侯は九たびす、終つて宮中に帰り酒を賜ふ、とあり、天子諸侯も農夫の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、米はわしが搗いてやるよ」 と関守氏が、臼《うす》の方へちかよって促すものだから三公も、 「じゃ、お茶を一ついれますかな」 「そうしなさい、拙者もこれで米搗きは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
から、その母親らしい女は駈け寄って、米友の手から奪うようにその子を抱き上げ、 「三公、まあお前、よく助かってくれたねえ、よく助かってくれたねえ」 ほんとに仕合....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と兵馬が思いました。 なるほど名こそ物臭太郎だが、この住居の結構は藤原時代で、三公を凌《しの》ぐものだ、なるほどと、兵馬が深く思い入れをした様子を見て神主は、....
狐火」より 著者:豊島与志雄
一 馬方の三吉というよりも、のっぽの三公という方が分り易かった。それほど彼は背が高かった。背が高いばかりでなく、肩幅....
南国太平記」より 著者:直木三十五
と、いった。 「父上が、隠居届を出されたのか?」 「いいえ、福岡、宇和島、南部の三公から、御願いがござりまして、閣老において、御内諾とのことにござります」 久....
深川女房」より 著者:小栗風葉
間を掃除している。 若衆は盤台を一枚洗い揚げたところで、ふと小僧を見返って、「三公、お上さんはいつごろ出かけたんだい?」 「そうだね、何でも為さん(若衆の名)....
」より 著者:徳永直
うと、屈った路次で、フト、二人の少年工を発見出したのだ。幸いだと思って、「オイ、三公、義公」と呼んだら、二人は変装している自分を、知ってか知らずにか、振り返って....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
して十二月に『金槐集』が出来た。 『金槐集』は実朝の歌集である。槐は支那の古代に三公のしるしとして殿前に植えた木で、大臣を意味する。金は鎌倉の鎌の篇を取ったので....