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「三冬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三冬の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
庭の土に埋め込んだ水甕に金魚を飼っている。Sがたんせいして世話したおかげで無事に三冬を越したのが三尾いた。毎朝廊下を通る人影を見ると三尾|喙を並べてこっちを向い....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
里へ帰るのだと。恰《あたか》もよし、これからようやくその無人の冬が来るのである。三冬の間をじっくりと落着いて、ここで飽くまで眠り通すに何の妨げがある。 竜之助....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
如し。この人心に教育を施して、その効験三日に見るべきか。いわく、否《いな》なり。三冬の育教、来年の春夏に功を奏するか。いわく、否なり。少年を率いて学に就《つ》か....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ためなり。波また高し。終日、山光島影に接せず。午後日光を漏らすも、寒気依然たり。三冬の季節なるを知る。 濠洋茫不氷。 (豪州の海ははるかにして見えず、雲のかなた....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
て、どんな気持ち」と言いました。すると僧は、顔色一つ動かさず、「枯木寒巌に倚る、三冬暖気無し」と言い放ちました。「まるで枯木が冷え切った岩に倚りかかったようなも....