三分[語句情報] » 三分

「三分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
いう。 我ら会員はホップ夫人とともに円卓をめぐりて黙坐《もくざ》したり。夫人は三分二十五秒の後《のち》、きわめて急劇なる夢遊状態に陥り、かつ詩人トック君の心霊....
魔術」より 著者:芥川竜之介
やはり落ちずにたまっている所を見ても、私が一月ばかりたったと思ったのは、ほんの二三分の間に見た、夢だったのに違いありません。けれどもその二三分の短い間に、私がハ....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
善に誇って我は是 DS なり、我を拝せよと勧めしに、かの無量の安助の中《うち》、三分の一は「るしへる」に同意し、多分は与《くみ》せず、ここにおいて DS「るしへ....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
の線路だったかは直《すぐ》に彼の目にも明らかになった。血はまだ一条の線路の上に二三分|前《まえ》の悲劇を語っていた。彼はほとんど、反射的に踏切の向う側へ目を移し....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ければならなくなった。しかしそれが数の上から云うと、ほとんどこの部落の若者たちの三分の二以上の多数であった。この連中は彼の味方が、彼を首領と仰ぐように、思兼尊《....
少年」より 著者:芥川竜之介
静かに寄せて来るさざ波を怖れた。が、それは父や叔父と海の中へはいりかけたほんの二三分の感情だった。その後《ご》の彼はさざ波は勿論、あらゆる海の幸《さち》を享楽し....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
委《ま》かせるより仕方はない。 少時学語苦難円 唯道工夫半未全 到老始知非力取三分人事七分天 趙甌北《ちょうおうほく》の「論詩」の七絶はこの間の消息を伝え....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ている四五行を訳した。が、訳してしまって見ると、時計の針はその間《あいだ》にまだ三分しか動いていなかった。 保吉は絶体絶命《ぜったいぜつめい》になった。この場....
卑怯者」より 著者:有島武郎
かしそこに彼は不意な出来事を見いだして思わず足をとめてしまった。 その前後二、三分の間にまくし上がった騒ぎの一伍一什《いちぶしじゅう》を彼は一つも見落とさずに....
星座」より 著者:有島武郎
て純次は、清逸の使いふるしの抽出《ひきだし》も何もない机の前に坐った。机の上には三分|芯《じん》のラムプがホヤの片側を真黒に燻《くすぶ》らして暗く灯っていた。机....
親子」より 著者:有島武郎
した大きな状袋から取り出して、 「この契約書によると、成墾引継ぎのうえは全地積の三分の一をお礼としてあなたのほうに差し上げることになってるのですが……それがここ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
正午における太陽の高度を測定し、それを基にして南北回帰線間の距離が地球大円周の八三分の一一に当るということを算定した(この値は実際より約一パーセント強だけ大きい....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
遊びに来た。到底起きる気がしないから、横になったまま、いろいろ話していると、彼が三分ばかりのびた髭の先をつまみながら、僕は明日か明後日御嶽へ論文を書きに行くよと....
歯車」より 著者:芥川竜之介
。僕は或理髪店の主人に別れ、停車場の中へはいって行った。すると果して上り列車は二三分前に出たばかりだった。待合室のベンチにはレエン・コオトを着た男が一人ぼんやり....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
足の下に躍るトロッコの動揺、――良平は殆ど有頂天になった。 しかしトロッコは二三分の後、もうもとの終点に止まっていた。 「さあ、もう一度押すじゃあ」 良平は....