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三品
「三品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
何事にでも器用な葉子は不足がちな台所道具を巧みに利用して、西洋風な料理と菓子とを
三品《みしな》ほど作った。定子はすっかり喜んでしまって、小さな手足をまめまめしく....
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
でもできるよ」 「何でもいい、僕は」 「そうか、それでは」と桂は女中に向かって二
三品命じたが、その名は符牒《ふちょう》のようで僕には解らなかった。しばらくすると....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ゃっちゃあいすまぬほどのおかたでごぜえます。禄高《ろくだか》はたしか五百石取り、
三品流《みしなりゅう》の達人とかききましたよ」 「つらに覚えはねえか!」 「さよ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
まず海苔が出て、お君がちょっと酌をして立った跡で、ちびりちびり飲んでいると二、
三品は揃って、そこへお貞が相手に出て来た。 「お独りではお寂しかろ、婆々アでもお....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
したのです。お心あたりはございませんか」 そう云って刑事は、白い西洋紙の上に、
三品をのせて差し出した。多田刑事は、課長の出鱈目に呆れながら、青年の顔色を窺った....
「食魔」より 著者:岡本かの子
中に投げ込み立上って来た。じろりと台俎板の上を見亙す。これはいらんという道具を二
三品、抽き出して台俎板の向う側へ黙って抛り出した。 それから、笊の蔬菜を白磁の....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ねえ、善藏や、大急ぎで水道町の花屋へ行って、おめでたいのだから、何かお頭付の魚を
三品ばかりに、それからよいお菓子を少し取ってくるように、道中には余り旨いお菓子は....
「連環記」より 著者:幸田露伴
で、御笑いになって、うなずかせたもうたということであった。こういう文時の詩文は菅
三品の作として今に称揚せられて伝わっているが、保胤は実に当時の巨匠たる此人の弟子....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
なかった。 ホーベスはふたたび、戸だなのなかに禁錮された。モコウは昼すぎに二、
三品、食物を運んでやったが、かれはほとんど一口もふれず、ただ頭をたれてなにごとか....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
出して、八蔵爺さんに渡して、 『一升あれば充分だ。それに、ちょっと摘むものを二、
三品頼む。残った金はおっさんにみんなやる。』 『はい、どうも――』 爺さんは、....
「妖怪学」より 著者:井上円了
(九)血どめの呪術 切りきずなどにて血出でて止まらざるときは、何草にても
三品とり、わが手中にてもみ付くるなり。一草ごとに天にむかい手を合わせ、「朝日が下....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
を挙げてみますると、第一、血止めのマジナイ。これはなんの草でもよろしい、ある草を
三品集めて、その草をもって天に向かって合掌し、一首の歌を詠む。すなわち、「朝日が....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
これもその年代をはっきりと記憶していないが、かの“かべす”即ち菓子と弁当と鮨との
三品を意味する言葉が、一般に通用するようになったのも、やはり明治十四、五年以後の....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
産を贈ってやりました。その礼状かたがたの返事で、その返事に西洋の白砂糖と外に二、
三品珍しい物を添えて遣されました。で、その時はツァ・ルンバより英杜戦争その他いろ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
るを得ず。船内は粗大にして清美を欠く。わが日光丸とは雲泥の差あり。食事は毎回二、
三品に過ぎず、一品を幾回重ぬるも任意なり。茶は朝食のときを限りとし、そのほかは湯....