三国峠[語句情報] » 三国峠

「三国峠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三国峠の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
縮図」より 著者:徳田秋声
昼は人気のない野山に寝て、夜になるのを待って道のない難路を歩み、五昼夜もかかって三国峠を越え、ようやく上州路へ辿りつくのだったが、時には暗夜に樵夫の野宿している....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
云って、私を軽蔑してはいけない。歩くと、決心すれば、一昨年の夏、私は、上越国境の三国峠を越えて、越後湯沢へ下駄履きのまま、出る事のできる男である)。歩いて、原稿....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
からない。わからないけれども、その年齢で、越後から清水越《しみずご》えか、或いは三国峠《みくにとうげ》をよじて上州の沼田へ出たであろうと想像され、そうして碓氷《....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
原の関所を越えて永井の宿、これを俗に三宿と申しまして、そろ/\難所へかゝります。三国峠へ差しかゝりました文治と妻お町の二人連れ、 文「漸うのことで國藏、森松、....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
憎んだっけ。……強盗、放火、殺人、ありとあらゆる悪業を働いた野郎だ」 「じゃア『三国峠の権』のような奴ね」 「知ってるのか?」 「三国峠の権の悪漢だってこと、誰....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
と、西方の峡谷から一本の渓流が合する。これを、西川という。 上州と、越後を結ぶ三国峠から一里下った谷間に法師温泉があるが、西川はこの法師温泉の奥に水源を持って....
猿ヶ京」より 著者:佐藤垢石
このほど、元代議士生方大吉君の案内で東京火災保険の久米平三郎君と共に、上州と越後の国境にある三国峠の法師温泉の風景を探ったのである。途中、猿ヶ京の部落を過ぎたが、車中で生方....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
肩から、榛名山の右の肩にかけて空間に、これを遙かに白い国境の山脈が連なっている。三国峠を中心とした三国山の峰々である。上越線が開通する以前、恐らく数百年前から、....
利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
である。その隣の三角山は、茂倉岳だ。 上越国境を信州の方へ、遠く走っているのは三国峠の連山だ。これも白い。大利根川はこれらの山の雪の滴りを、豊かに懐に抱いて下....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
脈とも称しているが、三国山は各所に同名があって混同の恐れもあるし、それに三国山や三国峠は往時は著名でもあったろうが、国道が清水峠に移転してからは清水峠を主要なる....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、上野と越後との国境、三国山脈をも、はや踏みかけていたのではなかったか。 その三国峠を越え、浅貝、三俣から神立村へ下りると、もう越後新田党の領土になる。 ま....
私本太平記」より 著者:吉川英治
る。だがほんとは、多摩、入間、高麗の三郡にかぎられた地域の戦いであった。碓氷峠や三国峠はただ宮方勢が敗走して行った山波の彼方であったまでにすぎない。 すべて東....