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三寸
「三寸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三寸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
》な女の足が突然空へ現れた。纏足《てんそく》をした足だから、細さは漸《ようや》く
三寸あまりしかない。しなやかにまがった指の先には、うす白い爪が柔らかく肉の色を隔....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
、その白木綿《しろもめん》に体温のあるのが、何だか不潔に感じられた。腹巻の中には
三寸ばかりの、太い針がはいっていた。旅団参謀は窓明りに、何度もその針を検《しら》....
「百合」より 著者:芥川竜之介
。金三はそこへしゃがんだまま、前よりも手荒《てあら》に百合の芽をいじった。しかし
三寸に足りない芽は動きそうな気色《けしき》も見せなかった。
「じゃわしもさわろう....
「或る女」より 著者:有島武郎
ん知りませんさ。知らんが僕のほうがあなたに深惚《ふかぼ》れしとる事だけは、この胸
三寸でちゃんと知っとるんだ。それ、それがわからん? 僕は恥も何もさらけ出していっ....
「星座」より 著者:有島武郎
つくろったりする動作を根気よく続けては、何んの必要があってか、素早くその位置を二
三寸ずつ上の方に移した。乾いたかすかな音が、そのたびごとに清逸の耳をかすめて、蝿....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
と垂懸《たれかか》っているのは同形《おなじかたち》をした、幅が五分、丈《たけ》が
三寸ばかりの山海鼠《やまなまこ》。
呆気《あっけ》に取られて見る見る内に、下の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
タ、蝶々の羽で三味線の胴をうつかと思われつつ、静かに長くる春の日や、お蔦の袖に二
三寸。 「おう、」と突込んで長く引いた、遠くから威勢の可い声。 来たのは江戸前....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
、憚りながら口幅ってえ事が云える義理かい。イフヒムの奴も太腐れて居やがる癖に、胸
三寸と来ちゃからっきし乳臭なんだ。 だが彼奴の一念と来ちゃ油断がなら無え。 宜い....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が、深更のこの挙動は、木曾街道の盗賊めく。 不浄よけの金襴の切にくるんだ、たけ
三寸ばかり、黒塗の小さな御厨子を捧げ出して、袈裟を机に折り、その上へ。 元来こ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ます。雨具を持たないお客だよ。」 「ちゃんとな、」 と唐桟の胸を劃って、 「胸
三寸。……へへへ、お古い処、お馴染効でございます、へへへ、お上んなはるよ。」 ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
て、その指が搦む、手と手を二人。 隔の襖は裏表、両方の肩で圧されて、すらすらと
三寸ばかり、暗き柳と、曇れる花、淋しく顔を見合せた、トタンに跫音、続いて跫音、夫....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
どん。本当に居ないですか、菊ちゃん。」とお縫は箪笥に凭懸ったまま、少し身を引いて
三寸ばかり開いている襖、寝間にしておく隣の長四畳のその襖に手を懸けたが、ここに見....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
て、刎ね起きて、きょろきょろ見ると、その佃の帆柱が見える硝子窓の上の方が、真暗に
三寸ばかり透してあったから、看護婦は、と見ると、扉を細目に開けて、白い身体をぴッ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
の切目からとばかりの間、夕陽が映じたのである。 剃刀の刃は手許の暗い中に、青光
三寸、颯々と音をなして、骨をも切るよう皮を辷った。 「これだからな、自慢じゃあね....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
豆のような小禽とはいうものの枳殻の実ほどはある。それに、躯に比較しては長過ぎる二
三寸の尾を動かしながら頻りに逆に松の枝へ吊さっては餌をむさぼる。尾に触れ嘴に打た....